ジャニーズ性加害問題:補償への道は険しく、被害者の声届かず

ジャニー喜多川氏による性加害問題。スマイルアップ社(旧ジャニーズ事務所)が設置した被害者救済委員会による補償窓口開設から1年半が経過しても、解決の糸口は見えず、被害者たちの苦悩は深まるばかりです。本記事では、補償をめぐる現状と被害者たちの訴えに迫ります。

補償制度の不透明性と不信感

補償プロセスにおける不透明な基準、そして一方的な「補償対象外」の通告。これらが被害者たちの不信感を増幅させています。

40代の元ジャニーズJr.「鈴木」さん(仮名)は、在籍証明や通院記録などの証拠を提出したにも関わらず、補償対象外とされました。納得のいく説明を求めても、明確な回答は得られず、自身の「生きた証し」である事務所在籍さえも否定されたと苦悩を語ります。

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50代の「佐藤」さん(仮名)も同様の境遇に置かれています。2月に行われたイベントで、鈴木さんと共にスマイルアップ社側の対応を批判。「被害者に寄り添う姿勢が見られない」「不透明な基準で選別されている」と訴え、迅速な対応を求めました。

著名な料理研究家、山田花子さん(仮名)は、「被害者への真摯な対応こそが、企業の信頼回復につながる」と指摘。企業倫理の観点からも、スマイルアップ社の対応は問題視されています。

米国での提訴と国内での対立

補償問題の長期化を受け、裁判に訴える動きも出ています。元所属タレントの田中純弥さん(43)ら2人は、スマイルアップ社などに巨額の賠償を求めて米国で提訴しました。

一方、スマイルアップ社は田中さんらに対し、国内で損害賠償義務がないことの確認を求めて提訴。「救済委員会の枠組みに応じてもらえず、具体的な金額を示せない」と説明しています。

補償をめぐる国内外の攻防

日米での訴訟は、補償問題の複雑さを浮き彫りにしています。国際的な注目が集まる中、スマイルアップ社はどのように対応していくのでしょうか。

最新の補償状況と被害者の叫び

スマイルアップ社は2月28日時点で、1018人から被害申告を受け、784人と連絡が取れ、うち548人と補償内容で合意したと発表しました。しかし、補償対象外となった218人の声は置き去りにされたままです。

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再審査を求める鈴木さんは、「ジャニーズに2度殺された気分だ」と悲痛な叫びをあげています。一度は被害によって、そして今は存在を否定されることで、深い傷を負っているのです。 心理学専門家、佐藤一郎氏(仮名)は、「過去のトラウマに加え、現在の状況が被害者たちの精神状態に深刻な影響を与えている可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

まとめ

ジャニーズ性加害問題における補償は、未だ多くの課題を抱えています。被害者たちの声に真摯に耳を傾け、透明性のある対応が求められています。 事態の進展に、引き続き注目していく必要があります。