『武士道シックスティーン』『億男』などの装画で知られるイラストレーターの著者が名作短編をコミカライズする作品集の第3弾。
今回は猫が登場する古今東西の文学作品にシリーズ初のオリジナルを加えた計11作品。ルナール「猫」から、芥川龍之介「お富の貞操」、小川未明「ねことおしるこ」、赤川次郎「いつか、猫になった日」、菅原孝標女「更級日記」…。
ミステリーや時代小説、童話などの世界で描かれる自由奔放な猫と、交錯する人々の人生模様が味わい深い。猫に寄り添う著者の思いがこめられている。(長崎訓子(くにこ)著、ナナロク社・1600円+税)