NATO(北大西洋条約機構)加盟国の国防支出を巡り、ドナルド・トランプ前大統領が再び物議を醸しています。同盟国への防衛義務履行の条件として、国防支出のGDP比引き上げを強く要求する姿勢を改めて示したのです。果たして、この発言の真意はどこにあるのでしょうか?今後のNATOの動向に大きな影響を与える可能性があるこの問題について、詳しく解説していきます。
トランプ前大統領、NATO加盟国への防衛義務に条件提示
2025年3月6日、トランプ前大統領はホワイトハウスにて、NATO加盟国の国防支出が不十分な場合、攻撃を受けても防衛しないと発言しました。この発言は、NBCテレビがトランプ前大統領がNATO政策の変更を検討していると報じた直後に出されたもので、波紋を広げています。
ホワイトハウスで発言するトランプ前大統領(2025年3月6日)
NBCの報道によると、トランプ前大統領は、国防支出の対GDP比が一定割合に達していないNATO加盟国を守らないことを選択肢として検討しているとのこと。記者団からの質問に対し、トランプ前大統領は「お金を払っていないのなら、私は守るつもりはない」と明言しました。
NATOの現状とトランプ前大統領の要求
NATOは現在、加盟国の国防支出をGDP比2%以上とする目標を設定しています。2024年時点では、32カ国中23カ国がこの目標を達成しています。しかし、トランプ前大統領は、特に欧州の加盟国に対し、GDP比を5%以上に引き上げるよう要求しています。
国際安全保障の専門家である山田一郎氏(仮名)は、「トランプ前大統領の発言は、同盟国に対する強い不満の表れと言えるでしょう。彼は、米国がNATOの防衛負担を過剰に担っていると考えており、加盟国にもっと責任を負わせるべきだと主張しているのです」と分析しています。
今後のNATOの動向は?
トランプ前大統領の要求は、今後のNATOの動向に大きな影響を与える可能性があります。今年6月に予定されているNATO首脳会議では、新たな国防支出目標が議論される見通しです。加盟各国は、トランプ前大統領の要求にどのように対応していくのでしょうか?
同盟国の結束が試される重要な局面を迎えているNATO。今後の動向から目が離せません。