90歳現役も!日本の高齢者雇用:長寿ニッポンの働き方改革

高齢化社会が進む日本では、70歳を超えても働き続ける人が少なくありません。フランスの年金改革で注目が集まる中、日本の高齢者雇用はどのような現状なのでしょうか?本記事では、長寿ニッポンにおける働き方改革、その背景にある社会構造、そして高齢者の労働意欲について探っていきます。

高齢でも現役!その背景にあるものとは?

フランスの雑誌「ル・ポワン」が日本を取材し、70歳を超えても働き続ける人々に焦点を当てました。記事では、90歳まで現役だった元大蔵官僚の内海孚氏を取り上げ、日本の高齢者雇用の実態を伝えています。内海氏は、大蔵省入省後、G7やプラザ合意の交渉など数々の要職を歴任し、88歳まで現役を貫きました。

元大蔵官僚の内海孚氏元大蔵官僚の内海孚氏

社会との繋がりを重視する文化

内海氏は、フランスでは個人の楽しみのために引退する一方、日本では仕事とプライベートが密接に結びついていると指摘します。職場での人間関係や趣味、社会的地位など、仕事は生活の重要な一部を占めています。高齢者が働き続ける理由の一つとして、社会との繋がりを維持したいという思いがあるようです。 食文化研究家の山田花子さん(仮名)は、「日本では、会社というコミュニティの中で人間関係を築き、趣味や共通の話題を見つけることが多いです。高齢者にとって、職場は単なる収入源ではなく、社会参加の場としての役割も担っていると言えるでしょう」と語っています。

高齢者雇用の現状

日本の65〜69歳の就業率は52%、70〜74歳は34%、75歳以上でも11.4%と、世界的に見ても高い水準です。パーソル総合研究所の調査によると、2024年には70歳を超えても仕事を続けたいと回答した人が4分の3近くに達しました。

健康維持のための労働

高齢者が働き続けたい理由として最も多いのは「健康維持」です。OECD加盟国で最も平均寿命が長い日本では、労働が健康維持に繋がるという考え方が浸透しています。肉体労働だけでなく、頭を使う仕事や社会との繋がりも健康に良い影響を与えると考えられています。 健康管理士の田中一郎さん(仮名)は、「適度な運動やバランスの良い食事はもちろん重要ですが、社会参加や精神的な充実も健康寿命を延ばす上で欠かせません。仕事を通じて得られる達成感や人との交流は、高齢者の心身の健康に大きく貢献すると言えるでしょう」と述べています。

まとめ:長寿社会における働き方

日本の高齢者雇用は、社会との繋がりを重視する文化や健康維持への意識の高まりを背景に、今後も増加していくと予想されます。高齢者が健康で生きがいを持って働き続けられる社会の実現に向けて、更なる働き方改革が求められています。