ロシアの侵略を受けるウクライナの地元紙「ウクラインスカヤ・プラウダ」(電子版)は7日、ウクライナ軍の越境攻撃下にある露西部クルスク州の小都市スジャ近郊で、露軍がウクライナ軍の防衛線を突破したと伝えた。現地軍関係者の話だとしている。スジャにはウクライナ軍が現地司令部を設置している。
ウクライナの有力軍事メディア「ディープステート」も7日、クルスク州で露軍が優勢を拡大しており、ウクライナ軍は「危機的状況」にあると報告。ロイター通信も7日、同州で「ウクライナ軍の状況が過去3日間で急速に悪化している」としたほか、「ウクライナ軍が包囲されるか、撤退を余儀なくされるまで多くの時間は残されていない」とする欧米側軍事専門家の見解を伝えた。
ウクライナ軍は昨年8月、露軍の戦力分散や対露交渉カードとする狙いなどからクルスク州への越境攻撃に着手。一時は約1300平方キロを占領した。しかし、露軍は北朝鮮兵も投入して反撃し、現在は6割以上を奪還したとの観測が強い。(小野田雄一)