日本は、経済誌「エコノミスト」が発表した2025年の「ガラスの天井指数」で、29カ国中27位という残念な結果となりました。韓国、トルコと並んでワースト3に入り、女性が働きにくい国の烙印を押された形です。
ガラスの天井指数とは?
「ガラスの天井指数」は、OECD加盟の主要29カ国を対象に、女性の労働参加率、男女間の賃金格差、育児休暇の取得状況、国会議員の女性比率など10の指標に基づいて算出されるものです。毎年国際女性デーに合わせて発表され、各国の男女格差の現状を浮き彫りにしています。
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改善の兆しはあるものの…
エコノミスト誌は、各国で男女格差縮小に向けた政策が進められており、企業役員の女性比率や国会議員の女性議席数など、多くの項目で改善が見られると評価しています。しかし、賃金格差は依然として大きく、平均で11.4%もの開きがあることを指摘しています。
賃金格差、日本はワースト2位
日本における2024年のデータによると、日本人女性の賃金中央値は男性の賃金中央値よりも22%も低いことが明らかになりました。これはイスラエル(20.8%)に次ぐワースト2位という深刻な状況です。賃金格差が最も小さいのはベルギーの1.1%、2位はイタリアの3.3%ですが、イタリアは女性の労働参加率が最下位で、生産年齢女性の58%しか働いていないという課題を抱えています。
法整備だけでは不十分
雇用差別禁止法や同一賃金法は多くの国で既に制定されています。英国では2017年に大企業に賃金格差データの公表を義務付け、EUや日本もこれに追随しました。それにもかかわらず、オーストラリアや日本では賃金格差が拡大しているという現実があります。
課題解決への道筋
「女性の活躍推進」が叫ばれて久しいですが、日本の現状は依然として厳しいと言わざるを得ません。 企業文化の変革、長時間労働の是正、無意識のバイアスへの意識改革など、多角的なアプローチが必要不可欠です。「女性活躍」は、単に女性のためだけでなく、日本社会全体の活性化、ひいては経済成長にもつながる重要な課題と言えるでしょう。
専門家であるA氏(仮名)は、「真の男女平等を実現するためには、法律の整備だけでなく、社会全体の意識改革が不可欠です。特に、無意識のうちに女性を不利に扱う『アンコンシャス・バイアス』への対策が重要です」と指摘しています。
今後の展望
日本が真に女性が活躍できる社会を実現するためには、政府、企業、そして個人が一体となって課題解決に取り組む必要があります。 今後の動向に注目が集まります。