中国、カナダ産農水産物に追加関税 報復措置か?

中国政府がカナダ産の農水産物に追加関税を課すと発表し、波紋が広がっています。最大100%にものぼる追加関税は、中国製EVへのカナダの関税措置に対する報復とみられています。今回の決定は両国間の貿易摩擦をさらに激化させる可能性があり、今後の動向が注目されます。

中国、最大100%の追加関税を発動

中国商務省は2023年9月8日、カナダ産の特定の農水産物に追加関税を課すと発表しました。対象となるのは菜種油、エンドウ豆、水産物、豚肉など。菜種油やエンドウ豆には100%、水産物や豚肉には25%の追加関税が9月20日から適用されます。

カナダの国旗と中国の国旗カナダの国旗と中国の国旗

この措置は、カナダが2022年に中国製の電気自動車(EV)に100%の関税を課したことに対する報復措置とみられています。中国商務省はカナダの関税措置を「差別的」と批判し、調査を実施。その結果、「中国企業の合法的な権益を損なっている」と結論付け、追加関税の発動を決定しました。

カナダのEV関税措置とは?

カナダは2022年、中国製EVに対して100%の関税を導入しました。これは、国内のEV産業保護や中国との貿易不均衡是正などを目的とした措置とされています。しかし、中国側はこれに強く反発し、WTO(世界貿易機関)への提訴も視野に入れて対抗措置を検討していました。

専門家の見解

国際貿易に詳しい山田太郎氏(仮名)は、「今回の中国の決定は、カナダへの明確な警告と言えるでしょう。中国は自国の産業保護に積極的で、不当な貿易措置に対しては断固とした態度で臨む姿勢を示しています」と指摘します。

今後の貿易摩擦激化の可能性

中国はカナダに対し、EVへの関税措置を撤回するよう求めています。しかし、カナダが応じる可能性は低く、両国間の貿易摩擦はさらに激化することが懸念されます。今後の展開によっては、他の品目への関税拡大や貿易制限など、より深刻な事態に発展する可能性も否定できません。

影響は日本にも?

今回の貿易摩擦は、日本を含む国際社会にも影響を及ぼす可能性があります。カナダは主要な農産物輸出国であり、中国は世界最大の市場です。両国間の貿易が停滞すれば、世界的なサプライチェーンの混乱や価格変動につながる恐れがあります。

まとめ

中国によるカナダ産農水産物への追加関税は、両国間の貿易摩擦を新たな段階へと引き上げる可能性があります。今後の動向を注視し、国際社会への影響についても分析していく必要があります。