元内閣広報官、山田真貴子氏のフジ取締役就任後の苦難:広報のプロの真価問われる

山田真貴子氏。菅義偉前首相の元で内閣広報官を務めた、輝かしい経歴を持つ女性官僚。しかし、東北新社との接待問題で辞任に追い込まれた過去を持つ。2024年6月、フジ・メディア・ホールディングス及びフジテレビジョン取締役就任という新たな舞台で再出発を切った彼女だが、その道のりは決して平坦ではないようだ。果たして「広報のプロ」としての手腕を発揮できるのか、世間からの厳しい視線が注がれている。

華麗なる経歴と転落劇

早稲田大学法学部卒業後、1984年に郵政省に入省した山田氏は、女性初の首相秘書官(安倍晋三首相時代)を務めるなど、まさに女性官僚のパイオニアとしてキャリアを築き上げてきた。総務省のナンバー2である総務審議官を経て、2020年9月には菅内閣で女性初の内閣広報官に就任。順風満帆に見えた官僚人生は、しかし、2021年2月に暗転する。

山田真貴子氏山田真貴子氏

東北新社接待問題と辞任

2019年11月、山田氏が総務審議官在任中に、菅前首相(当時官房長官)の長男が勤める放送事業会社、東北新社から接待を受けていたことが発覚。国家公務員倫理規定に抵触する可能性が指摘され、国会で追及を受ける事態となった。 この問題を受け、山田氏は2021年3月に辞任を余儀なくされた。当時の状況を知る政治部デスクは、「利害関係者からの接待は公務員としてあってはならない行為。国会での追及は当然の結果だった」と語る。

フジ取締役就任と新たな試練

コンサルタント会社顧問などを経て、2024年6月、山田氏はフジ・メディア・ホールディングス及びフジテレビジョンの取締役に就任。新たなキャリアをスタートさせた。しかし、就任直後から厳しい現実が待ち受けていた。 長時間にわたるトップ会見の運営に苦戦し、期待された「広報のプロ」としての手腕を発揮することができなかったのだ。

「飲み会を絶対に断らない女」発言の波紋

過去の動画で「飲み会を絶対に断らない女」と自称していたことも、今回の騒動で再び注目を集めることに。この発言は、パワハラ・モラハラ問題への意識の高まりの中で、改めて批判の対象となった。 企業広報に詳しい専門家、A氏(仮名)は、「時代認識の欠如と言わざるを得ない。広報担当者として、自身の言動が及ぼす影響について、より深く考えるべきだった」と指摘する。

今後の展望

過去の失態を乗り越え、フジの再建に貢献できるのか。山田氏の真価が問われている。 「広報のプロ」としての経験と知識を活かし、フジの信頼回復に尽力することが期待される。 今後の動向に注目が集まる。