【モスクワ、キーウ共同】ロシア国防省軍事政治総局のアラウジノフ副局長は8日、昨年8月からウクライナ軍の越境攻撃を受けるロシア西部クルスク州内の全方面でロシア軍が大規模攻勢を始めたと述べた。ロシア国防省は8日、同州のスジャ近郊で3集落を奪還したと発表、9日にも4集落を奪還したと表明した。防衛線を突破されたウクライナ軍が近く同州から撤退を余儀なくされるとの観測も出始めた。
スジャにはウクライナ軍の司令部がある。トランプ米政権がウクライナへの機密情報提供の一時停止を決めたことがウクライナ軍の劣勢に影響している可能性もある。
英紙デーリー・テレグラフは7日、クルスク州に展開するウクライナ軍兵士約1万人がロシア軍による包囲の危機にあると報じた。同紙によると、機密情報の提供が止まって以降の数日間で、ロシア軍はスジャ近郊の防衛線を突破。ウクライナ軍の重要補給路の遮断を狙い攻撃している。
ウクライナ軍は昨年8月の越境攻撃開始から約2週間で約1300平方キロを制圧した。