ウクライナ侵攻が続く中、ロシア国防省はクルスク州における戦況で新たな展開を発表しました。ウクライナ軍の越境攻撃を受けている同州で、ロシア軍が複数の集落を奪還したと主張しているのです。クルスク州のヒンシュテイン知事代行も、ロシアと欧州を結ぶ天然ガスパイプライン内を移動するという奇襲作戦でウクライナ軍の防衛線を突破したと述べています。これらの発表は、クルスク州における攻防が激化している現状を浮き彫りにしています。
ロシア軍の主張と戦況の緊迫化
ロシア国防省はクルスク州で7つの集落を奪還したと発表し、さらに隣接するスムイ州でも1つの集落を制圧したと明らかにしました。スムイ州では先月下旬以降、ロシア軍がウクライナ軍の補給路を断つための越境作戦を展開しているという情報が出ており、今回の発表はそれを裏付けるものとなっています。
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これらの発表を受け、クルスク州の戦況は緊迫化しています。ウクライナや欧米のメディアは、ロシア軍が防衛線を突破し、ウクライナ軍を分断、包囲しつつあると報じており、ウクライナ軍は危機的状況にあると伝えられています。
奇襲作戦の詳細と背景
ヒンシュテイン知事代行は、ガスパイプライン内を移動する奇襲作戦について、地雷やドローン攻撃を避けるためだったと説明しています。兵士たちはかがんだ状態で数十キロ移動し、中毒の危険もある過酷な状況だったと語っています。この作戦の成功が、ロシア軍の攻勢強化につながった可能性も指摘されています。
ウクライナ軍は昨年8月、ロシア軍の戦力分散や将来的な交渉カードとするため、クルスク州への越境攻撃を開始し、約1300平方キロを占領しました。しかし、ロシア軍は北朝鮮兵も投入して反撃し、先月時点で6割以上の面積を奪還したと主張しています。ロシアは将来的な停戦に先立ち、クルスク州の完全奪還を目指していると考えられます。
専門家の見解
軍事アナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「ロシア軍の今回の攻勢は、ウクライナ軍への大きな圧力となるでしょう。特に、ガスパイプラインを利用した奇襲作戦は、ウクライナ軍の意表を突くものであり、今後の戦況に大きな影響を与える可能性があります」と分析しています。
クルスク州の今後の行方
クルスク州の戦況は、ウクライナ侵攻の行方を左右する重要な要素となっています。ロシア軍の攻勢がさらに強化されれば、ウクライナ軍は苦しい立場に立たされることになります。今後の展開に注目が集まります。