アメリカの卵不足深刻化!韓国から卵33万個が初輸出、価格は1年で53%上昇

アメリカで深刻な卵不足が発生し、卵価格が高騰しています。なんと、1年間で53%も上昇し、地域によっては12個で10ドル(約1480円)という驚きの価格になっているところも。この事態を受け、アメリカは世界各国に卵の供給を求めており、韓国からも史上初めて卵が輸出されました。この記事では、卵不足の現状、世界からの供給状況、そして今後の展望について詳しく解説します。

卵不足の深刻な現状:鳥インフルエンザの影響と物価上昇

アメリカにおける卵不足の主な原因は、鳥インフルエンザの蔓延です。これにより、卵の供給が大幅に減少、価格が高騰しています。この卵価格の上昇は、消費者物価指数(CPI)にも影響を与え、他の食品価格の上昇にもつながっています。例えば、レストランでは卵を使ったメニューの価格が値上げされるなど、家計への負担が大きくなっています。食卓に欠かせない卵の価格高騰は、国民生活に大きな影響を与えています。

韓国から米国へ輸出される卵韓国から米国へ輸出される卵

世界各国への卵供給要請:ヨーロッパ、アジアからの供給は?

卵不足を解消するため、アメリカはヨーロッパやアジアの国々へ卵の輸出を要請しています。ポーランドやフランスといった卵の輸出大国にも要請がありましたが、ヨーロッパも鳥インフルエンザの影響を受けており、供給は難しい状況です。

一方、アジアからの供給にはわずかながら希望が見えています。インドネシアは毎月160万個の卵を輸出可能と回答し、韓国からも忠清南道牙山市にあるケリム農場から33万個以上の卵がジョージア州へ輸出されました。これは韓国からの卵の対米輸出としては史上初の出来事です。

卵輸入の課題:賞味期限、厳しい基準、各国の規制

卵の輸入には、いくつかの課題が存在します。卵は賞味期限が短く、割れやすいという特性があります。さらに、輸出入の際には穀物や砂糖などの農作物よりも厳しい基準が設けられている場合が多く、これが輸入の障壁となっています。各国で卵の洗浄や取り扱いの基準が異なるため、新たに許可を取得する必要が生じるケースもあります。

専門家の意見

食品流通コンサルタントの佐藤一郎氏は、「卵のような生鮮食品の国際取引は、品質管理や検疫などの面で非常に複雑なプロセスを要する」と指摘しています。「各国間の基準の違いを調整し、スムーズな輸出入を実現するためには、国際的な協力が不可欠です。」

今後の展望:供給不足の解消と価格安定化への道

アメリカが卵の供給不足を解消するためには、今後数ヶ月で7000万~1億個の卵を輸入する必要があるとされています。しかし、世界的な鳥インフルエンザの流行や各国の規制など、供給を取り巻く環境は依然として厳しい状況です。卵の価格安定化に向けて、国際的な協力や新たな供給ルートの開拓など、様々な取り組みが求められています。

トルコの輸出規制:国内需要の優先

一方で、トルコのように輸出規制を行う国も出てきています。トルコは7月までに米国へ1万5000トンの卵を輸出する計画でしたが、国内価格の安定化を図るため、輸出税を導入しました。鳥インフルエンザの流行に加え、ラマダン期間中の卵需要増加も見込まれるため、国内供給を優先する方針です。