吉本興業のタレントが、オンラインカジノで賭博をした疑いで警視庁から事情聴取を受けていたことが明るみに出て1カ月。ネットで検索すると、いまだにオンラインカジノの広告が堂々と……。
【写真を見る】「100億超え」の当選金額がズラリ！ 海外の宝くじが買えるサイトをのぞいてみると
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1等3000億円に達したことも
主催者が海外にいるため、規制が難しいからだろうが、日本語で宣伝している賭博サイトはカジノだけではない。海外の「宝くじ」が、日本から買えるサイトも存在しているのだ。
〈世界の宝くじが大集合〉 と喧伝される「ロトランド」などがそうで、サイトには、日本在住であっても、世界中の宝くじに賭けることができると書いてある。
当選金額も日本の宝くじやtotoとは桁違いで、たとえば全米宝くじ協会が運営する「パワーボール」は、1枚2ドルから買うことができて、1等が20億4000万ドル（約3000億円）に達したことも。
当選者が出なければ、毎回キャリーオーバー（繰り越し）され、当選金が膨らんでいく仕組みだからだ。富くじが賭博の一種であることはもちろんだが、射幸心をあおるという意味では、オンラインカジノより、こちらのほうが圧倒的である。
ちなみに前出のロトランドのサイトによると、客が直接宝くじを買い付ける形ではなく、当選金もロトランドや保険会社が支払う仕組みになっている。法律に触れないように工夫しているのだろうが、警察庁に聞いてみると、
「一般論としては、富くじの授受行為の一部が日本国内において行われた場合、刑法第187条第3項に該当し得るものと考えます」（刑事局捜査第1課）
警察はオンラインカジノの摘発を先行
つまり、「富くじ授受罪」にあたり違法であることは変わらない。それにしても、これほど大っぴらに宣伝されてしまっては、法律違反と思わずに買ってしまう客がいても不思議ではない。何か打つ手はないのだろうか。
国際カジノ研究所所長の木曽崇氏が言う。
「『海外宝くじ』に関しては、むしろ、オンラインカジノよりも伝統的なサービスで、インターネットの普及初期から“購入代行”という形で存在し続けています。現在のオンライン富くじはその発展版ともいえるもの。もちろん、海外の宝くじの購買も、日本国内から行えば違法ですが、警察としては取引額の大きなオンラインカジノの摘発を先行させているものと思います」
賭博に国境線を引くのはもはや難しい時代なのかもしれない。
「週刊新潮」2025年3月13日号 掲載
新潮社
