“開成から東大”で東大総長大賞も受賞した異色のピアニスト「歩んできたものが他人とかぶらない」


【写真】世界がラブコールする異色のピアニスト、角野隼斗

「頭脳明晰? そんなことないですよ」

 と、笑いながら質問に答える。角野隼斗はただの秀才ではない。3歳からピアノ講師である母に教わり始め、数々のピアノコンクールで優勝。大学院在学中に『ピティナピアノコンペティション』(’18年)特級グランプリ受賞。東京大学総長大賞も受賞したが、ピアニストとして生きると決意する。

『きらきら星』をレベル7まで弾き分けて動画再生1200万回超

 そんな異色のピアニストに3年以上密着した『角野隼斗ドキュメンタリーフィルム 不確かな軌跡』が2月28日に公開された。

「’21年に『情熱大陸』に密着していただいたときのディレクターが本作の監督です。『情熱大陸』以降をまとめた映画を作ろうというお話をいただいたんですが、しばらく渋っていて。別にいいんだけど、面白くなるのかな? と(笑)」

 その後、武道館公演が決まったことで、ようやく腹をくくったと笑う。

「昔の自分が何を言ったかあんまり覚えていないんですけど、でも作品を見るとあのころからちゃんと一貫したことを言っている。それは興味深かったですね。“世界で見ても、自分はユニークなのかどうかを知りたい”という言葉には、“お! おまえ、やるじゃん”って思いました(笑)」

 本作では演奏の裏側やアメリカでの生活など、普段見せることのないシーンがたくさん収められている。

「歩んできたものがあまり他の人とカブらないので、きっと面白いと思ってもらえるんじゃないでしょうか。最後には演奏シーンもあるので、ぜひ音響のいい映画館で見てもらえたらうれしいです」

 まぶしすぎる経歴ゆえに、クールで近寄りがたい人物なのかと思いきや、モリモリよく食べ、時におちゃめ。親近感を覚える。

「もうひどいものですよ。寝ぐせでボサボサだったり、フリースはくたびれていたり。密着されることのプレッシャーはないです。それをどう調理するかは監督の責任ぐらいに思っているから(笑)」



Source link