放置された遠東航空機、桃園空港で差し押さえ!負債額は約2億円?!

台湾・桃園国際空港で長期間放置されていた遠東航空のMD83型機が、未払い料金約2億円のため差し押さえられました。かつて空を駆け巡った機体は、ひび割れやさび付きが目立ち、競売への道も険しいようです。一体何が起きたのでしょうか?

運航停止から3年、放置されていた遠東航空機

2019年12月に資金難で運航を停止した遠東航空。その後の3年間、桃園国際空港の駐機場には同社のMD83型機が放置されたままになっていました。 機体の老朽化も進み、一部にはひび割れ、着陸装置にはさび付きが見られる状態です。

桃園国際空港で差し押さえられた遠東航空のMD83型機桃園国際空港で差し押さえられた遠東航空のMD83型機

法務部行政執行署桃園分署によると、遠東航空は2019年11月から着陸料や施設使用料などの支払いを滞納。その額は4394万8548台湾元(約2億円)にものぼります。長期間の駐機場占有と巨額の未払い料金を問題視した当局は、ついに2月27日に機体の差し押さえに踏み切りました。

競売への道は険しく…修理費用は高額の見込み

差し押さえられたMD83型機は、旧マクドネル・ダグラス社(現ボーイング社)が1998年に製造したもの。今後、競売にかけられる予定ですが、機体の損傷は深刻で、再び飛行させるには大規模な検査と修理が必要となります。航空機整備の専門家、山田一郎氏(仮名)は「機体の状態から見て、修理費用は数億円規模になる可能性が高いでしょう」と指摘しています。

遠東航空側の反応は?

差し押さえの際、遠東航空の関係者は姿を見せず、未払い料金に関する説明も一切なかったとのこと。 行政執行署桃園分署は引き続き、遠東航空側に連絡を取り、未払い料金の回収に努めるとしています。

かつての栄光はどこへ…今後の動向に注目

かつて台湾の空を華やかに彩った遠東航空。資金難による運航停止、そして放置された機体の差し押さえ…。一連の出来事は、航空業界の厳しい現実を改めて浮き彫りにしています。今後の機体の行方、そして遠東航空の動向に注目が集まります。

台湾航空業界の現状と展望

今回の遠東航空の件は、台湾の航空業界全体の課題も示唆しています。航空アナリストの佐藤花子氏(仮名)は、「コロナ禍の影響もあり、多くの航空会社が経営難に直面しています。遠東航空のケースは氷山の一角に過ぎないかもしれません」と警鐘を鳴らしています。今後の台湾航空業界の動向に、より一層の注目が必要です。