ダイエットにおいて、単に体重を減らすことと、健康的で引き締まったスタイルを目指す「ボディメイク」では、アプローチが大きく異なります。運動指導者の森拓郎氏は、筋力トレーニングの効果を最大限に引き出し、筋肉をつけて脂肪を減らすためには、一般に避けられがちな「ある栄養素」が不可欠だと指摘します。多くの人がダイエットの敵と見なすその栄養素こそが、あなたの体を変える鍵となるでしょう。本記事では、森氏の著書に基づき、その摂取が必要な理由と、体を変えるメカニズムを詳しく解説します。
筋トレでダンベルを持つ女性。筋肉を効果的に増やすための糖質の重要性を示すイメージ。
体組成変化の重要性:真の健康美へ
ボディメイクの最終目標は、体重の数字に囚われず、スタイルが良く健康的に見える体を手に入れることです。単なる体重減少は「摂取カロリー<消費カロリー」で達成できますが、この方法では筋肉は増えず、むしろ減るリスクがあり、健康からは遠ざかってしまいます。
真の健康的なボディを目指すには、体脂肪率を減らし、筋肉量を増やす「体組成の改善」が不可欠です。これにより、肥満解消へと繋がる主要な3つのメリットがあります。
- 代謝率の向上: 筋肉は脂肪より代謝率が高く、安静時も活動時もエネルギー消費量が多いため、太りにくい体質になります。
- 血糖値の安定: 筋肉がブドウ糖をグリコーゲンとして蓄え、血糖値を下げるインスリンの働きを良くします。これにより血糖値の急上昇が抑えられ、脂肪合成が抑制されます。
- 引き締まった見た目の実現: 筋肉は体を引き締め、脂肪の下にあることで重力への対抗力を高めます。また、姿勢の保持にも関わるため、同じ体重でも見た目の印象が大きく変わります。
筋肉の成長には運動刺激と適切な栄養素が不可欠であることを示すイラスト。
筋肉成長の鍵を握る「意外な栄養素」:糖質の力
筋肉を増やすには、筋トレなどの「運動刺激」と、その運動を支える「栄養」が不可欠です。筋肉を増やすシグナルは運動強度によって決まり、体内に十分なエネルギーがある状態で最も効果を発揮します。
ここで重要となるのが、ダイエット中に敬遠されがちな「糖質」です。糖質は筋肉の主要なエネルギー源であるグリコーゲンとして貯蔵されます。このグリコーゲンが不足すると、筋トレのパフォーマンスが低下するだけでなく、筋肉が分解されやすくなるリスクがあります。つまり、筋肉を効果的に増やし、理想のボディメイクを達成するためには、適切な量の糖質をしっかりと摂取することが極めて重要なのです。糖質は筋肉の回復と成長を促し、より強度の高いトレーニングを可能にするための「燃料」となります。
結論:賢い糖質摂取で理想のボディメイクを
健康的で引き締まった体を目指すボディメイクにおいて、筋力トレーニングと並んで「糖質」の摂取は欠かせない要素です。単に糖質を避けるのではなく、適切なタイミングと量で摂取することで、筋肉の成長を最大化し、代謝率の向上、血糖値の安定、そして見た目の引き締まりを実現できます。運動指導者・森拓郎氏が提唱するように、糖質を味方につけることが、効果的な「やせるしくみ化」への近道と言えるでしょう。
参考文献
- 森拓郎. 『筋肉をつけて脂肪を減らす やせるしくみ化』.





