岸田派が憲法若手勉強会 「ポスト安倍」へ派閥も後押しか





役員会に臨む自民党・岸田文雄政調会長=11日午後、国会内(春名中撮影)

 自民党の岸田文雄政調会長率いる岸田派(宏池会、47人)は11日、憲法改正に関する若手勉強会を開催した。岸田氏は改憲をテーマにした地方政調会を開くなど、安倍晋三首相が意欲を見せる憲法改正で党の推進役を担っている。同派は9条改正に慎重な護憲派のイメージがあるが、派閥としても勉強会を通じて改憲議論を促進する狙いだ。

 初回のこの日は衆院当選3回以下、参院当選2回以下の若手10人が出席した。党憲法改正推進本部事務総長の根本匠前厚生労働相が講師を務め、9条への自衛隊明記など4項目の党改憲案のとりまとめ経緯などについて説明した。

 出席者は選挙区などで4項目の説明に取り組むことを確認した。一方で「地元では『宏池会なのに改憲賛成なのか』といわれる」などの声も出たという。

 同派は伝統的にリベラルのイメージが強く、派内には改憲慎重論もある。名誉会長の古賀誠元幹事長は自著「憲法九条は世界遺産」で9条改正に反対し、党の方針と一線を画す。

 13日に開かれる勉強会は古賀名誉会長が講師を務める予定だが、企画した古賀篤衆院議員は「(憲法改正は)反対がある中で国民投票まで持っていかなければならない。いろいろな人に参加してもらい、幅広く議論していく必要がある」と強調する。

 岸田氏もかねてから「改憲を進めるには積極派だけでなく、一般の人や反対派も議論に巻き込んでいけるかどうか」と話してきた。地方政調会でも、同派の松山政司参院政審会長を同行させ、改憲4項目の中の参院選「合区」解消などを説明している。

 若手の1人は「(次期総裁選に向け)改憲の考え方について、宏池会としてコンセンサス(合意)を得ていかなければならない」と話す。



Source link