新宿路上ライブ配信中女性刺殺事件:金銭トラブルが背景か

東京都新宿区で発生した、路上ライブ配信中の女性刺殺事件について、新たな情報が明らかになってきました。警視庁の発表によると、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された高野健一容疑者(42)は、被害者の佐藤愛里さん(22)との間に金銭トラブルがあったことを供述しています。

金銭トラブルと連絡途絶が事件の引き金か

高野容疑者は「2023年の1~2月頃から佐藤さんと連絡が取れなくなり、貸した金を返してもらえなかった」と供述。警視庁捜査1課は、この金銭トラブルが事件の動機につながった可能性があるとみて、詳しい経緯を捜査しています。高野容疑者は2021年2月に動画配信を通じて佐藤さんを知り、その後、佐藤さんの勤務先である飲食店に通うようになったと説明。生活費や携帯料金などを含め、200万円を超える金額を貸していたと主張しています。

警視庁戸塚署を出る高野健一容疑者警視庁戸塚署を出る高野健一容疑者

捜査関係者によると、高野容疑者は佐藤さんと連絡が取れなくなったことに強い不満を抱いていたとみられます。金銭的な負担に加え、突然の連絡途絶が、高野容疑者を追い詰めた可能性も考えられます。

事件のあらましと今後の捜査

11日、新宿区歌舞伎町の路上で、ライブ配信中の佐藤さんが突然男に襲われ、首などを刺されました。佐藤さんは病院に搬送されましたが、出血性ショックにより死亡が確認されました。司法解剖の結果、首の傷が致命傷になったとみられています。

路上で女性が刺された現場付近を調べる警視庁の捜査員路上で女性が刺された現場付近を調べる警視庁の捜査員

警視庁は、高野容疑者の供述内容の裏付けを進めるとともに、事件当時の状況や2人の関係性について詳しく調べています。 犯罪心理学の専門家である山田教授(仮名)は、「オンラインでの人間関係のもろさが、今回の事件の背景にある可能性がある」と指摘しています。インターネットを通じて知り合った場合、現実世界での関係性とは異なる側面があり、トラブルに発展しやすいケースも少なくないといいます。

ライブ配信の安全対策と課題

今回の事件は、路上ライブ配信の安全対策の必要性を改めて浮き彫りにしました。 配信プラットフォーム側も、利用者の安全確保に向けた取り組みを強化する必要があるでしょう。 また、視聴者側も、配信者への過度な干渉や個人情報の詮索は控えるなど、適切な距離感を保つことが重要です。

警視庁は、事件の全容解明に向けて捜査を続けています。 今後の捜査の進展が注目されます。