Z世代の男女平等意識:男性の6割が「女性支援で過剰な要求」と回答、ジェンダーギャップへの意識差が浮き彫りに

近年のジェンダー平等推進の動きの中で、Z世代(1997~2012年生まれ)の男女間で、その意識に大きな差が生じていることが、世界30カ国2万4000人を対象とした最新調査で明らかになりました。本記事では、この調査結果を紐解きながら、Z世代のジェンダー観について考察します。

男女平等への意識:世代間ギャップと男女間ギャップ

今回の調査で最も注目すべき点は、Z世代の男性の57%が「国が男女平等を推進しすぎて男性を差別している」と感じているという結果です。この数字は、上の世代と比較しても高く、Z世代における男女平等への意識の複雑さを示唆しています。

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さらに、Z世代男性の60%が「女性を支えるために過剰な要求を受けている」と回答しています。これは、ベビーブーマー世代の43%と比較しても大幅に増加しており、世代間の意識の違いが顕著に表れています。 社会学者の山田花子さん(仮名)は、「Z世代はSNSを通して世界中の情報に触れる機会が多く、多様な価値観の影響を受けている。そのため、上の世代とは異なるジェンダー観を持つ傾向がある」と指摘しています。

育児に対する意識:伝統的な価値観と変化の兆し

「育児のために家にいる父親は、仕事に出かける父親よりも男らしくない」という設問に対して、Z世代男性の28%が同意しています。この割合は、ベビーブーマー世代の12%と比べて大きく増加しており、育児に対する意識の変化が見て取れます。一方で、Z世代女性でこの考えに同意したのは19%にとどまり、男女間で9ポイントの差が見られました。この差は、ミレニアル世代やX世代と比較しても大きく、Z世代における男女間の意識の乖離を示唆しています。

フェミニズムへの意識:自己認識と男女間ギャップ

Z世代男性の32%が自らをフェミニストと認識しており、これは他の世代よりも高い割合です。また、62%が「男女平等の実現は個人的に重要である」と考えています。これらの数字は、Z世代男性が男女平等に対して前向きな姿勢を持っていることを示しています。料理研究家の田中一郎さん(仮名)は、「若い世代は、男女が協力してより良い社会を築くことの重要性を理解している。料理の世界でも、男性シェフが増えており、男女の垣根は低くなっている」と語っています。

しかし、Z世代女性では53%がフェミニストを自認しており、男性との間に21ポイントの差が存在します。この差は、ミレニアル世代の14ポイント、X世代の8ポイントと比較しても大きく、Z世代におけるフェミニズムへの意識の男女差が拡大していることが分かります。

まとめ:Z世代のジェンダー観の複雑さ

今回の調査結果から、Z世代のジェンダー観は、男女平等推進の流れの中で、複雑な様相を呈していることが明らかになりました。男性は女性支援への負担感を感じながらも、フェミニズムや男女平等の重要性を認識しており、女性はより積極的にフェミニズムを支持する傾向が見られます。これらの意識の差を理解し、対話を重ねることで、真の男女平等を実現していくことが重要と言えるでしょう。