さよなら国鉄201系!大阪から姿を消した最後の国鉄型車両

ついに、あの懐かしいオレンジ色の電車、201系が大阪から姿を消しました。長年親しまれてきた国鉄型車両の終焉に、一抹の寂しさを感じている方も多いのではないでしょうか。今回は、201系の歴史と、その功績を振り返りながら、惜しまれつつ引退した背景に迫ります。

省エネ電車として華々しくデビューした201系

201系電車おおさか東線での運用時代の様子201系電車おおさか東線での運用時代の様子

1979年に試作車が登場した201系は、「省エネ電車」として注目を集めました。当時主流だった103系以来のフルモデルチェンジ車であり、画期的な「電気子チョッパ制御」システムを採用することで、大幅な省エネ化を実現したのです。 鉄道ジャーナリストの山田鉄夫氏(仮名)は、「201系の登場は、省エネルギーへの意識が高まりつつあった時代にまさに合致したものでした。その技術は後の車両開発にも大きな影響を与えたと言えるでしょう」と語っています。

ブラックフェイスと独特の座席配置

201系の特徴といえば、先頭部の窓周りが黒く塗られた「ブラックフェイス」のデザイン。そして、3+1+3人掛けという独特の座席配置も、後の車両に影響を与えました。これらのデザインは、当時としては斬新で、多くの人々の記憶に残っているのではないでしょうか。

中央線快速から関西へ、そして大阪環状線、大和路線へ

1981年の量産車登場以降、201系は中央線快速、中央・総武線各駅停車、そして関西では京阪神緩行線(現在のJR京都・神戸線)と、活躍の場を広げていきました。首都圏では2011年までに引退しましたが、関西ではその後も活躍を続けました。

321系導入と転属劇

2005年以降、JR京都・神戸線に321系が導入されると、201系は大阪環状線と大和路線に転属。そこで活躍していた103系を置き換えました。 しかし、大阪環状線では103系を完全に置き換えることができず、2016年に登場した323系によって、両形式とも引退することになったのです。201系は2019年に大阪環状線を去りました。

かつては中央線快速で活躍した201系かつては中央線快速で活躍した201系

大和路線での活躍と最後の時

大和路線に転属した201系は、和歌山線や桜井線、おおさか東線でも活躍しました。 しかし、2020年に車両置き換えが発表。225系、221系による「玉突き転属」によって徐々に数を減らし、2022年には大和路線以外の運用を終了。そして2023年3月14日、ついに大和路線からも姿を消し、40年以上にわたる歴史に幕を閉じました。

大阪府内から国鉄型車両が消滅

今回の201系の引退は、大阪府内における国鉄型車両の消滅を意味します。現在も関西圏では103系や205系などの国鉄型車両が活躍していますが、大阪府内では201系が最後の砦だったのです。皮肉にも、後輩の103系よりも先に引退することになってしまいました。

惜しまれつつ引退した201系。その功績は、鉄道史に深く刻まれることでしょう。