職場での人間関係、時に悩みの種ですよね。見下す上司、神経質な同僚、陰口を言う部下…家に帰っても彼らの顔が浮かび、心休まる暇もない、そんな経験はありませんか?実は、それはあなたの心の弱さではなく、脳のメカニズムに原因があるかもしれません。精神科医いっちー氏によると、脳はネガティブな記憶を強く刻むようにできているとのこと。今回は、いっちー氏の著書『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』を参考に、脳科学に基づいた「苦手な人を脳内から消去する」方法をご紹介します。
なぜ苦手な人の記憶が消えないのか?
進化の過程で、脳は危険を回避するためにネガティブな経験を強く記憶するようになりました。しかし、現代社会ではこの機能が過剰に働き、ストレスを増幅させることも。人間関係のストレスは脳にとって「痛み」として認識され、社会的な拒絶や孤独は物理的な痛みと同じ脳領域を活性化させます。結果として、苦手な人とのやり取りが脳内で繰り返し再生され、貴重な精神的リソースを消耗してしまうのです。
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脳の可塑性を利用して「あの人」を消去
幸いなことに、私たちの脳には「可塑性」という特性があります。これは、経験や思考によって脳の神経回路を再構築する能力のこと。この可塑性を活用すれば、苦手な人の記憶を薄れさせることが可能です。
マインドフルネスで「今」に集中
マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を集中させること。呼吸に意識を集中する瞑想を毎日数分行うだけでも、雑念から解放され、心の平静を取り戻す効果が期待できます。
メタ認知で視点を変える
「あの人は私を見下している」ではなく「あの人は自分に自信がないのかも」と視点を変えるだけで、感情的な負担を軽減できます。これはポジティブ思考を強制するのではなく、多角的な視点を持つ訓練です。
ポジティブな活動で意識を切り替え
趣味や運動、友人との会話など、ポジティブな活動に意識を集中させることで、ネガティブな思考のループを断ち切ることができます。これは単なる気晴らしではなく、脳の注意回路を意図的に切り替えるテクニックです。
心に壁を作る
心に壁を作ることで、ネガティブな影響を与える人との心理的な距離を保ち、自己防衛することができます。明確な境界線を引くことで心の負担を軽減し、精神的な安定を保つ効果が期待できます。
信頼できる人に話を聞いてもらうことも、客観的な視点を得る助けになります。家族や友人、専門家など、安心して話せる相手を見つけましょう。
上記以外にも、アロマテラピーや自然の中で過ごすなど、自分に合った方法を見つけることが大切です。例えば、ハーブティー専門家の山田花子さん(仮名)は、「リラックス効果のあるカモミールティーは、ストレス軽減に役立ちます」と述べています。
ストレスをコントロールし、自分らしい人生を
脳の可塑性を利用した「消去技術」は、ストレスのオン・オフを自在に操るための強力なツールとなります。約6~8週間の継続的な実践で、脳内に新たな神経回路が形成され始めると言われています。
「消去技術」は、苦手な人のことを完全に忘れ去ることを目的としたものではありません。必要な時は向き合い、対処法を考え、休息が必要な時は意識的に「消す」ことで、心身のバランスを保つことが重要です。
この技術を習得し、ストレスに振り回されない、自分らしい人生を歩んでいきましょう。