10月24日に行われた臨時国会で、高市早苗首相が就任後初の所信表明演説を行いました。初の女性内閣総理大臣としての晴れ舞台にもかかわらず、演説中に飛び交った「ヤジ」を巡る騒動が収まる気配を見せていません。この行為は、国民が新たな首相の政策方針を知る権利を奪ったのではないかと、各方面で議論を呼んでいます。
立憲民主党・野田代表が議員に「注意」ヤジ行為を事実上認める
翌25日、立憲民主党の野田佳彦代表は静岡第一テレビで、国会で党所属議員に「注意」したことを明らかにしました。これは、ヤジを飛ばしたのは立憲民主党の議員であることを事実上認める形となり、当の本人も「礼節を守ります」と真摯に受け止めたとされています。「新首相が誕生して、所信表明の出だしでどういう話をするのか、まずはしっかりと受け止めるというところから始めなければいけなかった」と野田代表は述べ、議員らの行動が不適切であったことを示唆しました。
臨時国会での高市早苗首相所信表明演説中にヤジを飛ばしたとされる立憲民主党の水沼秀幸衆院議員と岡田悟衆院議員
ネット上で「ヤジ議員」特定か 批判殺到のSNS対応
日本テレビ系『ミヤネ屋』など地上波でも生中継された所信表明演説ですが、カメラが高市首相を中心に捉え続けたため、ヤジを飛ばした議員の声のみが放送に乗っていました。しかし、ネットで生配信された『ニコニコ動画』では、「犯人らしき人物」が映し出されていたと報じられています。これを受け、ネット上では高市首相に対し何らかの声をあげていたとされる水沼秀幸衆院議員と岡田悟衆院議員が「ヤジ議員」として特定され、拡散されました。この一報を受けて、一躍広く名前が知られることとなった両議員のSNSには批判が殺到。水沼議員はまもなくインスタグラムのコメント欄を閉鎖する対応を取りました。一方、岡田議員は25日にXを更新しましたが、「アルフォート食べたい。」という内容で、謝罪の言葉は一切なく、普段通りの投稿を続けました。この投稿は「火に油を注ぐ」形となり、3000件以上のコメントが寄せられる炎上状態となりました。
岡田議員、過去にも「居眠り」指摘で反論 吉村知事への「噛みつき」も
岡田議員のこのような対応は、今回が初めてではありません。2025年4月にも、財務金融委員会での「居眠り」姿をXで指摘された際、意に介さない様子で「誰に怒られるのでしょうか？」と煽るような投稿をしていました。今回の批判に対しても「効いていない」とアピールしたかったのかもしれません。さらに、日本維新の会代表である吉村洋文大阪府知事が24日にXで投稿した「もうやめた方がいいよ。反対意見や批判はあるとしても、人の話はちゃんと聞こう。子供に見せれない。恥ずかしいよ」との苦言に対しても、引用リポストで「見せれない→見せられない」と、逆に「ら」抜き言葉を指摘して反論しました。一連の投稿から、問題の「ヤジ議員」であるかどうかはともかく、国会でのヤジ行為を悪びれていない姿勢が強く伺えます。
結び
高市首相の所信表明演説におけるヤジ騒動は、単なる国会の一幕に留まらず、国民の「知る権利」という民主主義の根幹に関わる問題として、その影響は広範に及んでいます。特に、批判に対し不誠実な態度を見せる一部議員の姿勢は、国民の政治不信を深める要因となりかねません。今後、国会における議員の品位と礼節、そして国民への説明責任が、より一層問われることとなるでしょう。
参考文献:
- Yahoo!ニュース
- 週刊女性PRIME
