地方で急増する外国人材、日本の人口1割は50年頃に?

地方における外国人労働者の増加が加速しています。朝日新聞の自治体調査によると、人材確保を目的とした海外自治体との協定締結がコロナ禍後に急増していることが明らかになりました。このままのペースで増加すれば、日本の人口に占める外国人の割合は、従来の予測よりも大幅に早く、2050年頃には1割に達する可能性も示唆されています。

外国人材確保に向けた自治体の取り組み

地方自治体は、海外の政府・自治体・大学などと国際交流協定(MOU)を締結することで、人材確保に積極的に取り組んでいます。MOUでは、来日前後の日本語教育や生活支援など、外国人材の受け入れ体制を整えることで、優先的な人材供給を目指しています。

コロナ禍後、地方でMOU締結が急増

朝日新聞が2024年10月に実施した47都道府県と20政令指定都市を対象としたアンケート調査によると、28自治体(全体の41.8%)が2014年以降、計87本のMOUを締結(締結予定を含む)しています。注目すべきは、その約半数にあたる40本がコロナ禍後の2023年以降に締結されており、うち34本は三大都市圏以外の地方自治体によるものです。

地方自治体と海外の協定締結数地方自治体と海外の協定締結数

地方の外国人増加と人口予測への影響

出入国在留管理庁のデータによると、2024年末の在留外国人は約377万人。2023年末から約36万人増加しており、特に地方での増加が目立っています。

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は2023年、2070年には日本の総人口が8700万人まで減少し、その1割は外国人になるとの推計を発表しました。この推計では、外国人は年間約16万5千人増加すると想定されていましたが、現状は2倍以上のペースで増加しています。

人口1割到達は2050年頃に前倒し?

社人研の是川夕国際関係部長は、「MOUの広がりを見ても、コロナ禍後に地方の受け入れ熱が高まっている」と指摘。このままのペースで外国人材が増加すれば、人口の1割が外国人となる時期は、2050年頃に前倒しになる可能性があると示唆しています。

まとめ

地方における外国人材の受け入れは、加速する少子高齢化への対策として重要な役割を担っています。MOU締結の増加は、地方自治体の積極的な取り組みを反映しており、今後の日本社会における外国人材の増加傾向はさらに強まることが予想されます。