ヒースロー空港、全面復旧へ 停電騒動から一転、安堵広がる

ロンドン中心部に位置する国際ハブ空港、ヒースロー空港。20日夜に発生した変電所の火災による大規模停電で一時閉鎖を余儀なくされましたが、22日には全面復旧を果たしました。今回の騒動は、世界中の旅行客約20万人に影響を与え、日本からの便も欠航や引き返しとなるなど、混乱を招きました。

停電の原因は?テロの可能性は?

ロンドン・ヒースロー空港の再開の様子ロンドン・ヒースロー空港の再開の様子

当初、ロンドン警視庁はテロの可能性も視野に入れて捜査を進めていましたが、警察と消防当局は21日、事件性はないとの見方を示しました。火災は変電所で発生し、空港だけでなく周辺の約6万7千世帯にも及ぶ大規模停電を引き起こしました。

単一電源への依存に疑問の声

国際航空運送協会(IATA)のウィリー・ウォルシュ事務局長は、今回の停電騒動を受け、ヒースロー空港のような重要なインフラが単一の電源に依存していることに疑問を呈しました。空港関係者はバックアップシステムの存在を認めつつも、空港全体の稼働を維持できる規模ではなかったと説明。専門家の中には、空港の電力供給システムの設計上の不備を指摘する声も上がっています。

ヒースロー空港の重要性

ヒースロー空港に到着したブリティッシュ航空の飛行機ヒースロー空港に到着したブリティッシュ航空の飛行機

ヒースロー空港はヨーロッパで最も利用客の多い空港の一つであり、BBCの報道によると、2024年には8390万人が利用しました。世界中を繋ぐ一大拠点として、その機能停止は国際的な物流や経済活動にも大きな影響を与えます。今回の停電騒動は、空港の電力供給システムの脆弱性を浮き彫りにするとともに、今後のインフラ整備における教訓となるでしょう。

全面復旧で安堵広がるも、再発防止策が急務

22日の全面復旧により、空港機能は正常化へと向かっていますが、今回の騒動は、重要なインフラにおけるリスク管理の重要性を改めて示しました。今後の再発防止に向け、電力供給システムの見直しや多重化など、抜本的な対策が求められています。 空港運営会社は、今回の事態を重く受け止め、早急に再発防止策を講じる必要があるでしょう。