ウクライナ侵攻をめぐり、プーチン大統領とトランプ前大統領の間で行われた電話会談。その裏側で何が起こっていたのか、jp24h.comが独自取材で明らかにします。モスクワのアメリカ大使館前で起きたある出来事、そして水面下で続けられてきた停戦交渉の行方。「一時停戦」か「さらなるエスカレーション」か、緊迫する情勢を読み解きます。
モスクワで起きた異変:撤去されたモニュメントの謎
2024年3月18日午後9時頃、モスクワ市内で奇妙な出来事が起こりました。プーチン大統領とトランプ前大統領の電話会談から約2時間後、アメリカ大使館前に突如クレーン車とトラックが現れ、侵攻のシンボルである「Z」をかたどったモニュメントの撤去作業が始まったのです。
この撤去劇はSNS上でも大きな話題となり、米ロ関係改善の兆候かと憶測が飛び交いました。しかし、ロシア外務省のザハロワ報道官は「電球の交換」と説明。真相は藪の中です。
モスクワのアメリカ大使館前に設置されていた「Z」のモニュメントが撤去される様子
トランプ前大統領の「一時停戦」提案とプーチン大統領の拒否
トランプ前大統領は、ウクライナ紛争の解決に向けて「一時停戦」を提案していました。しかし、クレムリンに近い関係者によれば、プーチン大統領はこの提案を一貫して拒否。その背景には、プーチン大統領の揺るがない要求と安全保障への強い懸念があるといいます。
プーチン大統領は、ゼレンスキー政権の退陣、ウクライナの非武装化、西側諸国の軍隊撤退、そしてウクライナ東部4州の支配権確保という要求を掲げています。これらはロシアの安全保障に直結する問題であり、「一時停戦」では根本的な解決にならないというのがプーチン大統領の主張です。
過去3年間、水面下ではインドや中国の軍隊による停戦監視など、様々な解決策が模索されてきました。しかし、トランプ前大統領は「とりあえず戦闘を止めればよい」という考えに固執。3月11日にはサウジアラビアでウクライナ側と協議し、「30日間の一時停戦案」を提示しましたが、プーチン大統領はこれを拒否しました。
プーチン大統領の真意:一時停戦はなぜ受け入れられないのか
プーチン大統領にとって、一時停戦はロシアの安全保障を危険にさらす行為に等しいと考えています。親ロシア派政権の樹立や西側諸国の軍隊撤退といった要求が実現されない限り、ロシアの安全は脅かされ続けると考えているのです。
3月12日、プーチン大統領は軍服姿でロシア西部クルスクを訪問し、軍司令官らを前に武力行使による勝利の必要性を強調。翌13日には、トランプ前大統領の「30日間の一時停戦案」を正式に拒否しました。「停戦は、紛争の根本原因を取り除くものでなければならない」とプーチン大統領は主張しています。
深まる米ロの溝:交渉の行方は
国際政治アナリストの佐藤一郎氏は、「トランプ前大統領の『一時停戦』提案は、プーチン大統領の要求を理解していない証拠だ」と指摘します。「プーチン大統領は、ウクライナ紛争を単なる軍事衝突ではなく、西側諸国との地政学的対立と捉えている。一時停戦ではこの対立は解消されない。」
トランプ前大統領の提案とは裏腹に、米ロ関係は改善の兆しを見せず、むしろ溝は深まるばかりです。クレムリンに近い関係者は、トランプ前大統領の姿勢が「さらなるエスカレーションを招きかねない」と危惧しています。ウクライナ紛争の行方は、依然として不透明な状況が続いています。
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