イーロン・マスク氏。時代の寵児、革新の旗手。そんな彼が今、岐路に立たされています。電気自動車メーカー、テスラ社のCEOとしての手腕が問われているのです。本記事では、テスラ株の低迷とマスク氏の言動、そして投資家の反応について詳しく解説します。
テスラを取り巻く逆風:株価低迷、販売不振、そしてブランドイメージの変容
テスラ株はS&P500の中でも特に低迷しており、世界各地で販売台数が減少。米国の中古車市場も冷え込んでいます。加えて、新型車「サイバートラック」のリコール問題、バンクーバー自動車ショーからの除外、そして14億ドルもの資金の消失疑惑など、ネガティブなニュースが後を絶ちません。
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かつて環境意識の高い層から支持を集めていたテスラですが、近年ではブランドイメージが変化。マスク氏の政治的な発言も影響し、特定の層からの支持に偏りつつあります。これらの要因が重なり、投資家のテスラへの信頼は揺らいでいます。
投資家の不満噴出:沈黙を破った強気筋、CEO交代を求める声も
長年テスラを支持してきた投資家からも、マスク氏への批判の声が上がっています。ウェドブッシュ証券のアナリスト、ダン・アイブス氏は「テスラは危機に直面しており、マスク氏だけがこの状況を打開できる」と警鐘を鳴らしました。ガーバー・カワサキ社のロス・ガーバー氏は、マスク氏の言動が顧客離れを招いていると指摘し、CEO交代の必要性を訴えています。
マスク氏自身は、X(旧Twitter)での社内会議で株価低迷を認めつつも、自動運転技術の進展を強調し、社員に自社株の保有を呼びかけました。
マスク氏の迷走:経営への集中不足、過激な言動が招くリスク
マスク氏は、テスラ経営よりもX(旧Twitter)の運営に注力しているとの批判を受けています。人種差別的な発言や新型コロナウイルスに関する誤情報の発信など、彼の過激な言動は投資家の懸念材料となっています。
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かつてはモデル3の生産遅延時に工場に泊まり込んで陣頭指揮を執っていたマスク氏。しかし、現在の彼はかつての情熱を失っているように見えます。
市場シェアの低下、競争激化:テスラが直面する課題
テスラは依然として米国で人気のEVメーカーですが、国内外で市場シェアを失いつつあります。競争の激化に加え、テスラ自身の技術革新の停滞もその要因となっています。
これらの懸念から、投資家はテスラ株の保有を減らし、株価は下落の一途を辿っています。マスク氏の言動によるブランドイメージの低下も、株価低迷に拍車をかけています。
政府高官によるテスラ株推奨も効果なし:市場の信頼回復は容易ではない
ジーナ・レイモンド商務長官はFOXニュースでテスラ株の購入を呼びかけましたが、市場は冷ややかな反応を示しました。ドナルド・トランプ前大統領によるテスラへの支持表明も、一時的な株価上昇をもたらしたに過ぎませんでした。
まとめ:岐路に立つテスラ、マスク氏のリーダーシップが問われる
世界一の富豪であり、革新的な企業家として名を馳せたイーロン・マスク氏。しかし、彼の迷走はテスラを危機的状況に陥れています。マスク氏がCEOとしての手腕を取り戻し、テスラを再び成長軌道に乗せることができるのか、今後の動向に注目が集まります。