2024年は「令和の米騒動」で記憶される一年となりました。スーパーマーケットの棚からコメが消え、消費者の不安感が高まったこの騒動。一体何が起きたのでしょうか?そして、私たちの家庭での米消費はどう変わっていくのでしょうか?この記事では、米不足の現状と消費動向、そして今後の見通しについて詳しく解説します。
コメ不足で消費量は増加!その背景にあるものとは?
総務省の家計調査によると、2024年の2人以上世帯のコメ購入量は60.20キロで、前年から3.55キロ(6.3%)増加しました。コメの購入量がプラスになったのは、新型コロナウイルス流行による巣ごもり需要があった2020年以来、実に4年ぶりのことです。価格が高騰しているにもかかわらず、消費量は増加しており、この背景には品薄への不安感が消費者を駆り立てている可能性があると指摘されています。
東京都練馬区のスーパー「アキダイ」で品薄となったコメの商品棚
2024年のコメ消費を月ごとに分析
2024年のコメ消費量を月ごとに見てみると、7月までは前年とほぼ同水準で推移していました。しかし、店頭で品不足が目立ち始めた8月には、前年同月比で29%増と大幅に増加しました。「令和の米騒動」の始まりです。価格上昇が顕著になった9月以降も11月まで前年を上回るペースで推移し、12月になってようやく微減となりました。
専門家の見解
ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員(仮名)は、価格が上がっても購入量が増えた背景について、「品薄と価格上昇への消費者の不安感が影響しているのではないか」と分析しています。生活必需品であるコメの価格上昇は、家計への負担を増大させます。このため、将来の不足に備えて今のうちに買っておこうという心理が働いたと考えられます。食の安全保障に対する意識の高まりも、この傾向に拍車をかけていると言えるでしょう。「コメが手に入らなくなるかもしれない」という不安が、消費者の行動を大きく変えたのです。
今後のコメ消費はどうなる?
流通関係者からは、「米価が上がりすぎれば消費者のコメ離れが進む」との懸念の声も上がっています。一方で、コメは生活必需品であるため、支出を減らすのは難しいという見方もあります。今後の消費動向は、米価の推移、政府の政策、そして消費者の意識変化など、様々な要因によって左右されるでしょう。
家庭での米消費の未来
米は日本の食文化の中心であり、私たちの食卓に欠かせない存在です。今回の「令和の米騒動」は、食料自給率の低さや食料安全保障の重要性を改めて私たちに突きつけました。今後、消費者は価格だけでなく、産地や生産方法、環境への配慮など、より多様な視点でコメを選ぶようになるかもしれません。家庭での米消費は、単なる「食べる」行為だけでなく、より持続可能で責任ある消費へと変化していく可能性を秘めていると言えるでしょう。