ことし8月、神戸市内のマンションで会社員・片山恵さん(当時24)を殺害した容疑などで、同月22日に逮捕された谷本将志被告(36)。神戸地検は今月8日まで、約3か月にわたって鑑定留置を行い、被告に刑事責任能力があると判断。12月11日、殺人罪やストーカー規制法違反などで起訴した。
面識のない片山さんを2日間つけ回し、マンションのオートロックを突破して犯行に及んだ被告。犯行は身勝手な理由から引き起こされたものだった。在阪の全国紙記者が話す。
「捜査関係者によると、これまで被告は『事件の2日前に路上で女性(片山さん)を見つけ、好みのタイプだと思って後をつけた』『エレベーター内でペティナイフを出して言うことを聞かせようとしたが、叫ばれたので刺した』と供述している。しかし犯行自体は認めながら、殺意の有無については『わからない』としています」
見知らぬ女性に好意を抱いた末に、刺し殺す──。事件そのものも異常だが、さらに世間を騒がせたのは被告に「2つの前科」があったことだ。
「2022年、当時、男は神戸市内で約5か月間にわたって被害者をつけ回し、マンションに侵入したうえで首を絞めたとして、殺人未遂容疑で逮捕されている。このとき懲役2年6か月、執行猶予5年が言い渡された。公判では『思考の歪みは顕著である。再犯が強く危惧されると言わざるを得ない』と指摘されています。
さらに2020年にも別の女性のアパートに侵入し、つきまとい行為を4回繰り返したとして、罰金刑を受けていることもわかっています。ストーカーは通常、既存の人間関係の中で起こることが多いですが、被告の場合はそうではない。特異な認知の歪みがあるとみられ、裁判の行方が注視されている」(同前)
そんな”ストーカー魔”だった被告の人物像について、これまで取材でいくつか明らかになったことがある。男は大阪府豊中市内の中学校を卒業後、大阪府内の私立校へ進学。そして2011年から前回の事件を起こすまで、神戸のある建設会社で働いていた。この会社の社長はかつて、こう語っていた。






