チェ・サンモク副首相兼企画財政部長官の弾劾訴追案可決なるか?野党の戦略と与党の反発

韓国政界は、チェ・サンモク大統領権限代行副首相兼企画財政部長官の弾劾訴追案をめぐり、再び緊張が高まっています。2月21日、共に民主党をはじめとする野党5党は、チェ副首相の弾劾訴追案を国会に提出しました。ハン・ドクス首相の弾劾審判の言い渡し期日が24日に迫る中、野党側は「弾劾の実益が消えた」との批判を受けながらも、チェ副首相への弾劾に踏み切ったのです。

野党の弾劾理由と戦略

弾劾訴追案には、12・3内乱関連行為、マ・ウンヒョク憲法裁判官候補者とマ・ヨンジュ最高裁判事の任命拒否、内乱常設特検任命手続きの不履行という4つの事由が挙げられています。共に民主党のイ・ジェミョン代表は、「チェ副首相は国法秩序を乱しており、憲法裁の判決にも露骨に拒否している」と批判しました。

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野党指導部は、尹錫悦大統領の弾劾審判が遅延し、極右勢力の動きが活発化する中で、党の対応レベルを引き上げる必要性があると判断したとみられています。「憲政破壊勢力との勢力争いで押されず、明確な戦線を張らなければならない」との声が上がっています。また、憲法裁の決定に従わないチェ副首相を放置すれば、今後の尹大統領弾劾審判の結果への対応にも影響が出るとの懸念も示されています。

弾劾訴追案可決の可能性と課題

チェ副首相の弾劾訴追案は、国会本会議で報告後、24時間後から72時間以内に表決が行われます。しかし、24日にハン首相の弾劾案が棄却された場合、チェ副首相は企画財政部長官に戻るため、弾劾案処理の動力が失われる可能性があります。また、国会本会議の日程を追加で決定する必要があり、ウ・ウォンシク国会議長が難色を示していることも課題となっています。

野党内部からも、弾劾訴追に踏み切ったことに対する批判の声が上がっています。「尹大統領罷免とは直接関係がなく、国民も理解できないだろう」との意見や、「実益は少なく、国民の不安を高める」との指摘が出ています。

与党の猛反発と今後の展開

与党「国民の力」は、野党の弾劾訴追を強く非難しています。クォン・ソンドン院内代表は、「国全体を滅ぼす意図だ」と批判し、「ハン首相の復帰が確実な状況で、経済副首相を弾劾するのは感情的報復だ」と主張しました。

今後の政局は、ハン首相の弾劾審判の結果、野党内部の意見調整、与党との対立など、様々な要素が絡み合い、予断を許さない状況となっています。チェ副首相の弾劾訴追案の行方は、韓国政界の今後の動向を占う上で重要な指標となるでしょう。