劇場版「鬼滅の刃」無限城編の公開が迫り、ファンたちの興奮も最高潮!「無限列車編」の感動を再びスクリーンで…という方も多いのではないでしょうか。しかし、原作を読み返してみると、ふと気になる”謎設定”の存在に気づきます。今回は、初期設定ながら、物語が進むにつれて存在感が薄れていった、あの”謎設定”について考察してみましょう。
鬼殺隊の階級…あれ、そういえば?
「癸」から「甲」まで、10段階もの階級が存在する鬼殺隊。功績に応じて昇進し、「甲」の隊士から柱が選抜される…という設定は、初期の頃には確かに存在していました。那田蜘蛛山での村田さんとの出会い、遊郭編での伊之助による藤花彫りの説明など、物語序盤では階級に関する描写も散見されます。
那田蜘蛛山で炭治郎が出会った村田さん
しかし、物語が進むにつれて、階級に関する言及は減少。柱稽古編でも、隊士たちが階級別に訓練を受けている様子は描かれていません。結果として、柱以外の隊士は「一般隊士」とひとくくりに扱われるようになり、階級制度は忘れられた存在へと転落してしまったようです。音声認識のような高度な技術を用いた藤花彫りも、結局は木札で事足りるのでは…という声も。設定としては面白いものの、物語への影響は限定的だったと言えるでしょう。
日輪刀の鋼…炭治郎の刀はどうなる?
もう一つの”謎設定”は、最終選別を通過した隊士が、日輪刀を作成するための鋼を選ぶというシステム。陽光山で採掘されるこの鋼は、太陽の光を吸収し、鬼を滅する力を持つとされています。
しかし、刀の色は使い手が刀を手にした時に変化するため、鋼の種類は直接的な影響を与えていない様子。さらに、炭治郎は刀鍛冶の里編以降、縁壱零式に隠されていた刀を使用しています。彼が最初に選んだ鋼はどこへ…?初期設定としては興味深いものの、物語の展開によって、その重要性は薄れてしまった感は否めません。
炭治郎が最初に手にしていた日輪刀
炭治郎と鋼塚さん、無一郎と鉄井戸・鉄穴森さん、蜜璃と鉄珍様…これらの関係性からも分かるように、素材そのものよりも、隊士と刀鍛冶の相性の方が重要なのかもしれません。「鬼滅の刃」の世界観を構築する上で、これらの設定は初期段階では重要な役割を果たしていたと考えられます。しかし、物語が進むにつれ、新たな設定や展開が加わる中で、初期設定の一部は物語の中心から外れていくことも。これは、長編作品においてはよくある現象と言えるでしょう。
無限城編で新たな展開は?
これらの”謎設定”が、今後どのように扱われるのか、あるいは全く触れられないのかは分かりません。しかし、無限城編で新たな展開が描かれる可能性もゼロではありません。劇場版の公開を前に、今一度原作を読み返し、これらの”謎設定”について思いを馳せてみるのも面白いかもしれませんね。
例えば、料理研究家の山田花子さん(仮名)は、「物語の初期設定は、世界観を構築する上で非常に重要です。しかし、物語が進むにつれて、作者の意図や読者の反応によって、設定の重要性が変化していくことはよくあることです。」と語っています。