長年にわたる残業代を支払わないのは不当だとして、「上野学園中学校・高等学校」(東京)の教職員ら24人が、同校を運営する学校法人「上野学園」に、過去5年分の未払い残業代計約2億円の支払いを求める訴訟を13日、東京地裁に提起した。
原告側などによると、上野学園では石橋慶晴前理事長への役員報酬額などをめぐって経営陣と教職員の一部が対立。文部科学省の要請を受けた学園が平成29年1月、報酬額は「高額で、適切性を欠く」などとする第三者委員会の報告書の概要を公表し、学園の損失分の返還請求などを検討すると文科省に報告していた。
ところが学園は今年6月、学園に損失はなく返還請求はしないと公表。一方で教職員らには資金不足を理由に長年残業代が支払われておらず、教職員側は返還請求もせずに残業代が未払いのままなのは不当などと主張している。
提訴後に会見した上野学園中高教職員組合の加藤久典執行委員長(41)は「労働賃金を搾取する学校の経営体制には納得がいかない」と述べた。上野学園は「訴状を見ていないのでコメントを差し控える」としている。