イ・ジェヨン会長、BYD本社訪問でサムスン車載事業拡大へ加速か?

中国発展ハイレベルフォーラム出席のため訪中したサムスングループの李在鎔(イ・ジェヨン)会長が、中国電気自動車大手の比亜迪(BYD)本社を訪問したことが話題となっています。2023年2月3日の控訴審判決で無罪を言い渡されてから初の海外訪問となる今回の訪中で、李会長はどのようなビジョンを描いているのでしょうか。

中国ハイテク企業との連携強化を視察

李会長は、フォーラム出席後、広東省深圳にあるBYD本社を訪問。BYD幹部らと会談し、今後の協業について意見交換を行ったとみられています。この訪問は、北京での小米科技(シャオミ)自動車工場視察に続くもので、サムスンの車載用電装事業拡大への強い意欲が感じられます。

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家電製品やスマートフォンで世界的なシェアを持つサムスンですが、車載バッテリーやディスプレイ、半導体など、自動車関連事業にも力を入れています。電気自動車市場の急成長を受け、BYDとの提携は、サムスンにとって大きなビジネスチャンスとなる可能性があります。自動車業界専門家の山田一郎氏(仮名)は、「BYDは、電気自動車だけでなく、バッテリーや電子部品も手がける総合メーカー。サムスンとの協業は、両社にとってWin-Winの関係となるでしょう」と分析しています。

車載半導体市場での競争激化

サムスンは、車載半導体市場でも存在感を高めようとしています。自動運転技術の進化に伴い、高性能な半導体の需要はますます高まっています。BYDとの連携は、この分野での競争優位性を築くための戦略的な一手と言えるでしょう。

中国市場への再進出を模索?

今回の訪中は、李会長にとって、無罪判決後初の海外訪問という点でも注目を集めています。中国は世界最大の自動車市場であり、サムスンにとって重要な市場です。李会長は、中国市場への再進出を視野に入れ、中国企業との関係強化を図っているのかもしれません。

今後の動向に注目

李会長のBYD本社訪問は、サムスンの車載事業拡大への布石となるのでしょうか。今後のサムスンとBYDの動向に注目が集まります。

中国発展ハイレベルフォーラムには、米アップル、米ブロードコム、米クアルコムのCEO、独BMWの会長らも出席しており、世界的な経済交流の場となっています。このフォーラムへの参加も、サムスンのグローバル戦略の一環と言えるでしょう。

サムスンは、これまでにも様々な分野で革新的な製品を世に送り出してきました。車載事業においても、その技術力とイノベーションで市場を席巻する可能性を秘めています。今後の展開に期待が高まります。