30cmの巨大な爪!ゴビ砂漠で発見された新種の恐竜「デイノニクス・ツォグトバータリ」とは?

ゴビ砂漠で発見された巨大な爪を持つ新種の恐竜について、その生態や特徴を詳しく解説します。まるで映画から飛び出してきたような、奇妙で魅力的な恐竜の世界を覗いてみましょう。

ゴビ砂漠で発見された驚異の爪

モンゴルのゴビ砂漠で、ほぼ完全な状態で保存された巨大な恐竜の爪が発見されました。この爪は、なんと長さ30cm近く!これまで発見されたケラチンの鞘を持つ恐竜の爪としては最大級です。この発見は古生物学界に大きな衝撃を与え、新たな研究の扉を開きました。カナダ・カルガリー大学の古生物学者、ダルラ・ゼレニツキー准教授は、「ケラチンの鞘が付いた状態で保存された恐竜の爪としては、これまでで群を抜いて大きい」と語っています。

ゴビ砂漠で発見されたデイノニクス・ツォグトバータリの爪ゴビ砂漠で発見されたデイノニクス・ツォグトバータリの爪

ナマケモノ?キリン?シザーハンズ?奇妙な恐竜の正体

新種の恐竜は、「デイノニクス・ツォグトバータリ」と名付けられました。「デイノニクス」はギリシャ語で「二本の爪」を意味し、モンゴルの古生物学者ヒシグジャブ・ツォグトバータル氏への敬意を表して命名されました。体高は約3メートル、体重は260キロ程度と推定されています。二本の指には巨大な湾曲した爪があり、まるでナマケモノの爪のよう。この爪を使って植物に脚を伸ばし、直径10cmもの枝をつかんでいたと考えられています。 まるでナマケモノとキリン、そして映画「シザーハンズ」の主人公を組み合わせたような、奇妙でユニークな姿だったのでしょう。

植物食恐竜の意外な武器

デイノニクス・ツォグトバータリは植物食恐竜でしたが、その巨大な爪は捕食者から身を守るための武器としても役立ったと考えられています。ゼレニツキー准教授は、「彼らは捕食者ではなかったが、あの爪で身を守ることはできただろう。大きく、とても鋭いから」と指摘しています。一見穏やかな植物食恐竜にも、このようなサバイバルのための工夫があったことは大変興味深いですね。

デイノニクス・ツォグトバータリの2本爪の手の復元図デイノニクス・ツォグトバータリの2本爪の手の復元図

貴重な発見がもたらす未来への期待

今回の発見は、恐竜の進化や生態系を知る上で非常に貴重な資料となります。背骨、尻尾、腰、前脚、後脚の一部も見つかっており、今後の研究で更なる発見が期待されます。恐竜時代の謎を解き明かす手がかりとして、デイノニクス・ツォグトバータリの研究は重要な役割を果たしていくことでしょう。

鞘がついたデイノニクス・ツォグトバータリの爪の化石鞘がついたデイノニクス・ツォグトバータリの爪の化石

古代生物のロマンを感じさせる、今回の発見。今後の研究の進展に目が離せません。