韓国への憧れを胸に、現地就職を目指す日本人が増えている。K-POPや韓国ドラマの影響で韓国文化への関心が高まる一方、厳しい就職事情の中で夢を叶えるのは容易ではない。本記事では、韓国で働く日本人たちのリアルな体験を通して、希望と困難、そして成功への道のりを探る。
韓国就職の現状:高い壁と希望の光
alt釜慶大学校の様子。多くの外国人留学生が学び、就職活動に励んでいる。
韓国で就職を目指す日本人にとって、ビザ取得は大きな課題だ。「特定活動(E-7)」ビザは一般的だが、取得条件は厳しく、企業側にも多くの要件が課せられる。韓国人材開発院の資料によると、企業は外国人労働者を雇用する際、一定額以上の賃金を支払う義務があり、自国民の雇用を優先する傾向がある。そのため、日本人であっても希望の職に就くことは容易ではない。
それでも、韓国で働くことに魅力を感じる日本人は少なくない。北九州市出身の小久井楓さん(24)は、釜山のベンチャー企業で唯一の外国人社員として活躍している。ワーケーションプランのマーケティングを担当し、日本市場の調査などを行っている。韓国語を活かし、好きな国で働く喜びを感じているという。
就職活動のリアル:挑戦と挫折、そして成功
alt韓国就職を目指す日本人留学生たち。先輩や専門家からアドバイスを受け、将来のキャリアプランを描いている。
韓国の就職活動は日本とは異なり、即戦力が求められる。釜山大学の鬼木凜さん(24)は、在学中から就職活動を開始したが、希望の整形外科の通訳や貿易関連の仕事は見つからず、苦労したという。就職説明会では、多くの企業が生産現場の労働力を求めており、日本人向けの求人は限られていた。最終面接で不採用となる経験も重ね、就職活動の難しさを痛感した。
しかし、諦めずに活動を続けた結果、観光分野の企業に就職することができた。希望とは異なる分野だが、新たな挑戦への意欲に満ちている。
異なるビザルート:日本語教師という選択肢
韓国での就職を目指す上で、ビザの種類も重要な要素となる。「会話指導(E-2)」ビザを取得し、日本語教師として働くという選択肢もある。りのさん(仮名・26歳)は、デザイン学を専攻したが、E-7ビザ取得の難しさから日本語教師の道を選んだ。ソウル郊外の高校で日本語教師として働き始め、生徒たちの学ぶ意欲にやりがいを感じているという。
韓国就職への道:粘り強さと柔軟な対応が鍵
韓国で就職を実現するには、粘り強い努力と柔軟な対応が必要だ。ビザの要件や企業のニーズを理解し、自身のスキルや経験を活かせる分野を探すことが重要となる。困難な状況でも諦めずに挑戦し続けることで、韓国で働くという夢を実現できる可能性は広がる。韓国での就職は決して容易ではないが、成功をつかんだ日本人たちのストーリーは、これから挑戦する人々に勇気を与えてくれるだろう。