【台北=竹内誠一郎、北京=中川孝之】台湾の中央通信社は25日、林佳竜外交部長(外相)が大阪・関西万博の見学などで訪日したと報じた。日本と外交関係のない台湾の外交部長の訪日が明らかになるのは異例だ。中国外務省は同日、林氏の訪日について、劉勁松アジア局長が在中国日本大使館の横地晃次席公使に抗議したと明らかにした。
台湾外交部は、林氏の訪日を私的な訪問だとしている。同通信社によると、林氏の訪日は、台湾の対日窓口機関・台北駐日経済文化代表処を視察した後、万博会場を訪れる日程。超党派の議員連盟「日華議員懇談会」の古屋圭司会長(自民党衆院議員)のフェイスブックによると、林氏は、古屋氏や高市早苗・前経済安全保障相らとも面会した。
中国外務省によると、劉氏は横地氏に対し、「いわゆる『私人の身分』での訪日を容認し、反中分裂の政治活動を行う舞台を提供した」と日本側の対応を批判した。日本大使館によると、横地氏は日本政府の台湾に関する立場を説明した。