イスラエルとハマスの戦争:国連職員ら殺害・砂山埋葬の衝撃

イスラエルとハマス間の紛争で、痛ましい事件が明るみに出ました。国連職員を含む医療スタッフや救急隊員がイスラエル国防軍によって殺害され、砂山に集団埋葬されていたという衝撃的な報道です。本記事では、この事件の詳細と国際社会の反応について掘り下げていきます。

ラファで起きた悲劇:医療従事者らへの攻撃

10月31日、英国メディア「ガーディアン」は、国連の発表として、イスラエル国防軍が10月23日にガザ地区南部のラファ・テル・アル・スルタン地域で、国連職員1人を含むパレスチナ医療スタッフと救急隊員15人を殺害し、集団埋葬したと報じました。

国連人道問題調整事務所(OCHA)によると、パレスチナ赤新月社と民防衛隊が銃撃で亡くなった同僚の遺体収容に向かう途中、イスラエル軍の集中砲火を受け、車両に乗っていたほとんどが死亡しました。犠牲者15人の内訳は、赤新月社職員8人、民防衛隊員6人、国連職員1人でした。

alt パレスチナ赤新月社の救急車。イスラエル軍の攻撃を受けたとされる。alt パレスチナ赤新月社の救急車。イスラエル軍の攻撃を受けたとされる。

赤新月社の保健プログラム局長、バシャール・ムラート氏は、攻撃当時、車両に乗っていた医療スタッフと通話中だったと証言。イスラエル国防軍は最初の攻撃で生き残った人々を縛り、その後殺害したと主張しています。赤新月社は現場から回収した遺体の少なくとも1体が手を縛られていたことを確認し、これはイスラエル国防軍が拘束後に殺害した証拠だと述べています。

イスラエル側の主張と国際社会の反応

イスラエル側は事件発生を認めていますが、武力行使は正当だったと主張。イスラエル国防軍は「ヘッドライトも非常信号も灯さずにイスラエル国防軍に接近する不審な車両複数台に発砲した」と説明し、車両の動きは事前に調整されたものではなく、該当地域は「積極的な戦闘地域」だったと主張しています。

しかし、パレスチナ赤新月社は、該当地域はこれまで安全とみなされており、車両の動きは「調整を必要としない通常のもの」だったと反論しています。

さらに、赤新月社はイスラエル国防軍が犠牲者の遺体を近隣の砂山に集団埋葬し、遺体収容を1週間以上も妨害したと主張。8日後にようやく遺体を収容した赤新月社は、遺体が「砂に埋められ、一部は腐敗が始まっており、収容は困難を極めた」と明らかにしました。

ムラート氏は回収した遺体に対して解剖を行う予定だとし、「彼らが上半身に銃撃を受け、一つの穴にまとめて集められ、砂をかけられて埋葬されたのは明らかだ」と述べています。

OCHAのイェンス・レルケ報道官はガーディアン紙に対し、「現在確認されている情報によると、最初に到着した医療チームはイスラエル国防軍によって射殺され、次の救急救助隊員は連絡の途切れた同僚を捜索するために向かったところ、数時間にわたって一人ずつ攻撃を受けた」と語り、「彼らは明らかに救急車、消防車、国連車両という標識がある彼らの壊れた車両と共に砂の下に埋められた」と明らかにしました。

今後の展開と人道危機への懸念

今回の事件は、イスラエルとハマス間の紛争の残虐性を改めて浮き彫りにしました。国際社会からは、イスラエル軍の行動に対する非難の声が高まっており、独立した調査を求める声も上がっています。今後、この事件が紛争の行方にどのような影響を与えるのか、そして人道危機がさらに深刻化する可能性についても懸念が高まっています。