近年、エイプリルフールに企業がSNSでユーモアを交えた嘘の投稿をするのが恒例行事となっています。しかし、笑いを誘うジョークを考えるのは容易ではなく、度が過ぎてしまい、毎年「やらかし」てしまう企業も少なくありません。2024年のエイプリルフールでは、お弁当チェーン「ほっかほっか亭」が“冷え冷え”なネタで物議を醸しました。
ほっかほっか亭のエイプリルフール投稿
物価高騰を揶揄したジョーク?ライス販売中止の発表に批判殺到
事の発端は、4月1日深夜0時に「ほっかほっか亭」公式X(旧Twitter)に投稿された内容でした。「本日より全国のほっかほっか亭全店舗でライスの販売を停止します。」というテキストと共に、お馴染みのロゴと頭を下げる店員のイラストが掲載されました。
その後、この投稿を引用する形で、取締役名義の公式文書のような体裁で「米に対して絶対的な自信をもっておりますが…、これ以上は、価格高騰の波に抗えなくなりました」という投稿が追加されました。
この投稿を見たユーザーの反応は、米の価格高騰が社会問題となっているだけに「笑えない」「エイプリルフールとはいえ、真偽不明な情報は控えるべき」といった批判的な意見が殺到。両方の投稿は1500万インプレッションに達しました。
なぜこのような投稿を?ほっかほっか亭広報担当者にインタビュー
なぜこのような投稿に至ったのか、株式会社ほっかほっか亭総本部の広報担当者に話を聞きました。
取締役の発案?投稿の経緯
担当者によると、SNS関連部署が作成し、代表取締役の確認を経て投稿されたとのこと。
社内での反対意見は?
投稿内容に関する議論の中で、問題点を指摘する声はなかったのか尋ねたところ、担当者は別部署であるため、詳しいやり取りは把握していないと回答。しかし、同社は価格高騰の中、仕入れに苦労しているものの、国産米100%使用を売りにしていることから、消費者が本当に米の販売を停止するとは考えないだろうという認識があったと説明しました。
謝罪と訂正に至った理由
その後、同日16時にはエイプリルフール投稿の内容を訂正する投稿がされました。担当者によると、数件ではあるものの「本当に米の販売をしないのか」という問い合わせがあったこと、そして一部ニュースメディアが「ライス販売停止が事実」であるかのように報じたため、誤解を解くために訂正と謝罪を行ったとのこと。
エイプリルフールと炎上リスク:企業のSNS運用に求められる配慮
今回の件は、時事問題をネタにすることの難しさ、そしてSNSにおける情報発信の責任を改めて浮き彫りにしました。フードアナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「消費者の不安を煽るような内容は、たとえジョークであっても避けるべき。特に、生活に密着した食品を扱う企業は、より一層の配慮が必要」と指摘しています。
エイプリルフールは、企業にとって消費者に親近感を持ってもらうための絶好の機会ですが、一歩間違えると大きな炎上リスクを伴います。ユーモアと配慮のバランスを保ち、適切な情報発信を心がけることが重要です。