シラスウナギ豊漁も価格は低迷…岐阜・海津市の漁師たちの喜びと不安

日本の食文化に欠かせないウナギ。その稚魚であるシラスウナギが、岐阜県海津市の津屋川で記録的な豊漁となっています。2月1日の解禁日以降、多くの漁師が「白いダイヤ」を求めて川辺に集まり、活気に満ち溢れています。しかし、豊漁の裏側には、買い取り価格の低迷という厳しい現実も存在します。今回は、海津市のシラスウナギ漁の現状と、漁師たちの喜びと不安の声をお届けします。

津屋川に集まる漁師たち、期待に胸膨らませ

2月下旬の午後、海津市を流れる津屋川には、場所取りをする漁師たちの姿が見られました。日没後、伊勢湾から遡上してくるシラスウナギを狙うため、彼らは昼過ぎから場所を確保します。「10メートル違うだけで獲れる量が全然違う」と語るベテラン漁師。長年の経験が、漁の成功を左右するのです。

岐阜県海津市の津屋川でシラスウナギ漁をする漁師岐阜県海津市の津屋川でシラスウナギ漁をする漁師

ベテラン漁師も驚く記録的な豊漁

近年、シラスウナギは不漁が続いていましたが、今年は驚くほどの豊漁となっています。「こんなことは何十年もなかった」と語る77歳の漁師。53歳の漁師も「去年よりずっと獲れる。今年はすごいので楽しみ」と期待に胸を膨らませています。

30年目のフィリピン出身漁師も大漁に喜び

日本に来て30年以上になるフィリピン出身の濱田マリリン・カリアソンさんも、今年の豊漁に喜びを隠せません。「お金もそうだけど、やりたいだけ。面白いから」と語る濱田さん。しかし、その表情には、豊漁とは裏腹な複雑な思いも浮かんでいます。

豊漁貧乏…買い取り価格低迷の現実

濱田さんは、「今年は獲れるけど(買い取り価格が)安い」と語ります。なんと、去年と比べて10倍ものシラスウナギが獲れているにもかかわらず、買い取り価格は15分の1にまで下落しているというのです。「いっぱい獲れるから退屈ではないけど、お金にならない。いわゆる豊漁貧乏」と嘆く67歳の漁師。かつては1匹100円、200円だった買い取り価格が、今では10円ほどになっているといいます。

夜間にライトで照らしながらシラスウナギを捕獲する漁師夜間にライトで照らしながらシラスウナギを捕獲する漁師

漁師たちの未来への不安

シラスウナギの豊漁は喜ばしいことですが、買い取り価格の低迷は、漁師たちの生活を圧迫しています。養殖コストの高騰もウナギ価格への影響が懸念されており、今後の見通しは不透明です。「日本ウナギ資源協議会」の白井会長は、「価格の低下は一時的なものと考えています。しかし、養殖のコスト高騰が続けば、ウナギ価格への影響は避けられないでしょう。」とコメントしています。

消費者の理解と協力が不可欠

日本の食卓に欠かせないウナギを守るためには、漁師だけでなく、消費者も現状を理解し、協力していくことが重要です。

漁師たちの努力と不安、そしてウナギの未来について、私たちはもっと真剣に考える必要があるのではないでしょうか。