欧州からみた即位礼正殿の儀 ポーランドの日本研究者「皇室の伝統守るべき」





大嘗宮に入る参列者ら=14日午後、皇居・東御苑(川口良介撮影)
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 10月22日に挙行された「即位礼正殿の儀」や11月10日のパレード「祝賀御列の儀」で日本は祝賀ムードに包まれた。即位礼正殿の儀は多くの海外メディアで報じられ、日本の文化が世界に伝わる機会ともなった。ポーランドを代表する日本史研究者、ワルシャワ大のエヴァ・ルトコフスカ教授は、皇室の儀式など「日本の伝統文化は守られなければいけない」と訴える。(外信部 坂本一之)

 ルトコフスカ氏は、即位礼正殿の儀について「高御座(たかみくら)や御帳台(みちょうだい)、十二単(ひとえ)など昔から伝わるものがあり、そのまま将来も続いていっていただきたい」と語る。

 長い歴史を持つ日本の皇室に関して「いろいろな国に王室はあるが、日本の皇室の歴史は最も長く、儀式も伝統的で特別だ」と強調。皇位継承の重要性について、日本はもっと大切に考えるべきだとも語る。

 一方でルトコフスカ氏は、日本からの情報発信の重要性も指摘する。

 同氏によれば、一般的なポーランド人にとって日本の伝統文化といえば「着物や茶道、生け花、書道」など。インターネットで即位礼正殿の儀の映像を見る機会があったとしても、儀式の意義や三種の神器などの意味を理解するのは難しい。また、外国人にとっては皇室に関する情報を探すのがそもそも簡単でなく、英語での情報量も少ないという。

 このためルトコフスカ氏は、宮内庁のホームページなどで「日本語の分からない外国人に、もっと伝統や文化を詳しく説明した方がいいのではないか」と提言する。

 新元号の「令和」の文字を初めて見たときは、「令」という字から「命令」に関連するようなイメージが浮かび驚いたという。

 しかし、日本最古の歌集である万葉集から引用されたことや、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味が込められていることなどを知り、新たな年号に共感を覚えたという。

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