フィリピンで遺骨取り違え10人分 専門家指摘も公表せず 





厚労省

 国の戦没者遺骨収集事業をめぐる遺骨取り違え問題で、厚生労働省は15日、フィリピン国内で収集された遺骨10人分も、日本人のものでない可能性が高いことを明らかにした。平成23年に専門家から指摘を受けていたが、未公表だった。

 取り違えが発覚したのは、22年6~7月に収集された2191人分の遺骨の一部。現地の人の証言や骨の特徴などをもとに日本人と判断し、DNA鑑定が可能かを研究するため、頭骨に歯が残っている遺骨から10検体を採取し、持ち帰り鑑定していた。

 23年6月、専門家の会議で日本人でないとの報告があったが、公表されなかった。問題発覚を受け、改めてDNA鑑定を行う。10検体以外の遺骨は現地で焼骨してから持ち帰ったため、日本人であるかどうかの判別はつかないという。

 戦没者遺骨収集事業をめぐっては、厚労省が今年9月、平成11~26年にロシア国内の9カ所で収集した遺骨597人分について、日本人のものでない可能性があると発表。省内に検証チームを立ち上げており、検証作業の中でフィリピンの事案が発覚した。

 厚労省は「専門家から指摘を受けながら、なぜ対応がなされなかったのか、今後の検証チームの調査に委ねたい」としている。



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