俳優・田村正和の知られざる素顔:伝説の二枚目、その意外な一面

田村正和さん。時代劇「眠狂四郎」から「古畑任三郎」まで、数々の名作で私たちを魅了した名優です。2021年4月に惜しまれつつこの世を去りましたが、その人気は今もなお衰えることを知りません。常に「二枚目俳優」として完璧なイメージを保ち続けた田村さん。しかし、そのベールに包まれたプライベートな姿は、一体どのようなものだったのでしょうか。今回は、元マネージャーや関係者の証言を元に、謎多き名優の素顔に迫ります。

成城の高級住宅街での静かな暮らし

田村さんの自宅は、東京都世田谷区成城の閑静な高級住宅街にありました。晩年は公の場に出ることはほとんどありませんでしたが、近隣住民の間では、その姿がよく目撃されていました。早朝5時頃から、Tシャツに短パン、あるいは黒のトレンチコートにハットという粋なスタイルで散歩する田村さんの姿は、まさに絵になる光景だったといいます。すれ違う人には必ず挨拶をするなど、気さくで優しい人柄も、近隣住民から愛されていた理由の一つでした。

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しかし、2020年末頃から、田村さんの散歩風景に変化が見られるようになりました。散歩の時間が遅くなり、奥様と常に一緒だったといいます。長年心臓を患っていた田村さん。寒くなるとハワイへ「避難」することもあったそうで、晩年は体調が優れなかったのかもしれません。

徹底した役者魂と意外な弱点

田村さんの父は、時代劇スター阪東妻三郎。兄や弟も俳優という芸能一家に生まれ育ちました。自身も「二枚目」路線を貫き、プライベートを明かすことを極端に嫌ったといいます。共演経験のある俳優の証言によると、撮影現場での田村さんは、徹底したプロ意識の持ち主だったようです。例えば、トイレの使用中は付き人が入り口に立ち、他の俳優でさえ入室を断られるほどでした。また、人前で食事をすることもなく、体型維持のためか、缶スープを少し口にする程度だったといいます。

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さらに意外なことに、体力もあまりなかったそうです。100メートルの坂を下るシーンでも息切れするほどだったというエピソードも。完璧な二枚目俳優のイメージとは裏腹に、繊細で脆い一面も持ち合わせていたのかもしれません。

謎めいたスター、田村正和

生涯を通して、ミステリアスな雰囲気を纏い続けた田村正和さん。その徹底した役者魂と、ベールに包まれたプライベート。だからこそ、私たちは彼の演技に魅了され、彼の存在に惹きつけられたのではないでしょうか。田村正和という、唯一無二のスターが遺した功績は、これからも語り継がれていくことでしょう。