【カイロ時事】訪米したイスラエルのネタニヤフ首相は7日、パレスチナ国家樹立を認める「2国家共存」について、「(パレスチナが)イスラエルを破壊する基盤になる」と語り、改めて反対する考えを表明した。
ワシントンで開かれたトランプ米大統領との夕食会の冒頭、記者団に語った。
ネタニヤフ氏は、パレスチナが国家を持てば、2023年10月にイスラム組織ハマスが多数の民間人を含む約1200人を殺害した奇襲のような行為が繰り返されると主張した。ネタニヤフ氏は「(ガザを統治するハマスが)テロのためのトンネルを建設し、われわれの都市に侵攻して大量殺りくを行った」と強調。ガザやヨルダン川西岸などを領土とするパレスチナ国家が実現すれば、イスラエルの脅威になると訴えた。
ネタニヤフ氏は「主権国家としての治安維持の権限を常にわれわれの手中に有している状況で、和平を追求する」と指摘し、軍事力を通じてガザなどを引き続き管理する方針を示唆した。トランプ氏は、2国家共存に関する見解を記者団から問われ、「分からない」と述べるにとどめた。
一方、ネタニヤフ氏はトランプ氏に対し、ノーベル平和賞に推薦したと伝えた。ロイター通信によると、トランプ氏はうれしそうな表情で謝意を示したという。