【トランプショック再来?】世界経済を揺るがす貿易摩擦の行方

米中貿易摩擦の再燃が世界経済を揺るがしています。トランプ前大統領時代を彷彿とさせる関税引き上げは、市場に大きな不安をもたらし、世界同時株安を引き起こしました。一体何が起きているのでしょうか?今後の世界経済はどうなるのでしょうか?この記事では、専門家の意見を交えながら、貿易摩擦の現状と今後の展望を分かりやすく解説します。

トランプ前大統領の関税政策が再び世界を混乱へ

トランプ前大統領が導入した、貿易相手国への高関税政策。まるで悪夢の再来かのように、世界経済に大きな影を落としています。ニューヨーク市場ではダウ平均株価が2200ドル以上も下落し、日本でも日経平均株価が3万4000円を割り込むなど、世界同時株安が深刻化しています。

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米国では、この政策に抗議する大規模デモが各地で発生。ウォールストリート・ジャーナル紙は、「2日間で6兆6000億ドル(約970兆円)もの株式時価総額が失われた」と報じています。専門家はこの事態をどう見ているのでしょうか?

専門家による現状分析と今後の見通し

第一生命経済研究所の永濱利廣氏は、「日経平均株価の下げ幅は過去最大。中国の報復関税により、先物市場では3万1000円を割り込んでいる。今後も2000~3000円の下落が予想される」と厳しい見方を示しています。

経済評論家の加谷珪一氏は、「市場は時間と共に状況に適応していくため、過度な心配は不要。混乱は続くものの、持ち直す企業も出てくるだろう」と、やや楽観的な見解を示しています。

トランプ前大統領の真の狙いは?

永濱氏は、「トランプ前大統領はFRBに利下げを要求していることから、現状に慌てている様子。そもそも経済政策の認識に誤りがあり、自らの誤りに気づいていない」と指摘しています。

加谷氏は、「トランプ前大統領の狙いは中国だが、『中国と戦う強い男』を演出し支持を集めたい意図がある。習近平国家主席も同様に『トランプと戦う強い男』を演じたい思惑があり、両者の利害が一致している面もある」と分析しています。

貿易赤字削減という誤った政策

永濱氏は、「トランプ前大統領は米国の貿易赤字を減らしたいと考えているが、これは大きな間違い。米国の貿易赤字は、経済が好調で世界中から商品を輸入している結果であり、無理に赤字を減らそうとすれば国内景気を悪化させる」と警鐘を鳴らしています。

また、「関税を上げて米国製品の輸出を増やし、製造業を復活させようとしているが、米国車の売れ行き不振は関税ではなく性能の問題。この政策は景気を悪化させるだけだ」と指摘しています。

支持層の動向と今後の展開

加谷氏は、「トランプ前大統領の政策は明らかに間違っているが、彼は保護主義と関税こそが国益だと信じている。支持者も、雇用が増えるなら多少の株価下落は許容するという考え方が強い」と述べています。

この状況は、いずれ大きな弊害をもたらす可能性があります。しかし、現状では支持層の「トランプ頑張れ」という雰囲気が強く、政策の転換は容易ではないでしょう。今後の動向に注目が必要です。