【感動秘話】CAからの贈り物、日本酒「伯楽星」が駐在員を支えた物語

マニラへの赴任、不安を抱える原木裕さんのもとへ届いた思いがけない贈り物。それは機内で出会ったCAからの日本酒「伯楽星」と、心のこもった手紙でした。異国の地で奮闘する原木さんを支えた温かい物語をご紹介します。

マニラへの赴任とCAからの贈り物

2013年、50歳で初めての海外駐在としてマニラへ赴任した原木さん。IT企業で海外出張の経験は豊富でしたが、長期の駐在は初めてで不安を抱えていました。そんな中、空港で搭乗便のCAから小さな巾着袋を手渡されます。中には日本酒2本と達筆な手紙が入っていました。手紙にはマニラでの仕事が順調に進むよう、CA一同からの応援メッセージが綴られていました。

altaltマニラ空港でCAから手渡された巾着袋

原木さんは、この心遣いに深く感動し、異国の地での不安が少し和らいだといいます。名前も顔もはっきり覚えていないCAへのお礼を伝えたいと思い、航空会社の知り合いに連絡を取りました。

心温まる手紙のやり取り

数ヶ月後、原木さんのもとへ一通のメールが届きます。それは、あの時のCAからの手紙でした。航空会社の社内報に掲載された原木さんのエピソードを見て、CAの女性が名乗り出たのです。

altaltマニラの高層ビル群

手紙には、日本酒「伯楽星」を選んだ理由が記されていました。震災で被災した宮城の蔵元が、別の場所で一から酒造りを再開し、以前より高品質な酒を造ることに成功した初年度の酒だったのです。「マニラで新たな事業を興される原木様に是非お召し上がり頂きたく」というCAの温かい想いが込められていました。 有名料理研究家の佐藤先生も「贈り物に込められたストーリーは、贈り物の価値をさらに高める」と語っています。

日本酒「伯楽星」に込められた想い

贈り物の真意を知り、原木さんは胸が熱くなりました。駐在中の心の支えとして、初心を忘れないための戒めとして、手紙と日本酒を大切に保管しました。 苦しい時期には何度も手紙を読み返し、励まされたといいます。

還暦前の挑戦とフィリピンへの恩返し

3年半の駐在を終え、日本へ帰国後も原木さんのフィリピンへの想いは消えることはありませんでした。還暦を前にJICAの求人サイトでフィリピンのリサイクル工場の運営責任者の募集を見つけ、再びフィリピンで暮らすことを決意します。 前回の駐在で目の当たりにしたフィリピンの深刻なゴミ問題。その解決に貢献したいという強い思いが原木さんを突き動かしました。

CAからの手紙、再び

この挑戦を後押ししたのは、あのCAからの手紙でした。 原木さんは、CAへの感謝の気持ちを胸に、フィリピンでの新たな挑戦へと旅立ちました。

まとめ

CAからの思いがけない贈り物と手紙が、異国の地で奮闘する駐在員を支えた感動のストーリー。 小さな親切が大きな力となることを教えてくれるエピソードです。皆さんも、大切な人への贈り物に想いを込めてみてはいかがでしょうか。