バンス米副大統領の発言、中国で波紋 「中国の農民」への認識に批判殺到

米国のマイク・ペンス副大統領がFOXニュースのインタビューで中国の農民について言及したことが、中国国内で大きな波紋を呼んでいます。ペンス氏の発言は中国の現状認識の欠如を露呈したとして、SNSを中心に批判が噴出しています。

ペンス氏の発言とは?

3日に行われたFOXニュースのインタビューで、ペンス副大統領はトランプ大統領の関税政策を擁護する中で、「グローバリスト経済」を批判。「米国は中国の農民から金を借り、その農民が作った製品を買っている」と発言しました。この発言が中国で大きな反発を招いています。中国外務省の報道官も定例記者会見で、ペンス氏の発言を「無知で無礼」と批判しました。

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中国側の反応は?

ペンス氏の発言は中国のSNS、微博(ウェイボー)で瞬く間に拡散され、批判の的となりました。中国共産党機関紙「環球時報」の元編集長、胡錫進氏は、「米国の田舎から出てきた本物の『農民』には、物事の全体像が見えていないようだ。中国に来て自分の目で確かめてほしい」と皮肉を込めて反論。多くのユーザーも同調し、ペンス氏の発言に関するハッシュタグはウェイボーのトレンド1位に。

中国では、近代的な工場に産業用ロボットが導入され、都市部では国産EVが走り、農村部も高速鉄道網で結ばれています。こうした現状を無視したペンス氏の発言は、中国の急速な発展に対する無理解の表れと受け止められました。

あるユーザーは、「私たちは農民かもしれないが、世界一の高速鉄道システムと最強の流通能力、AI、自動運転、ドローン技術も進んでいる。農民としては相当見事ではないか?」と皮肉たっぷりにコメント。

別のユーザーは、ペンス氏自身が労働者階級出身で貧しい地域で育ったことに触れ、「皮肉な発言だ」と指摘しました。ペンス氏は回想録『ヒルビリー・エレジー アメリカの繁栄から取り残された白人たち』で、幼少期の貧困や母親の薬物中毒について綴っています。

専門家の見解

国際情勢に詳しい評論家、山田太郎氏(仮名)は、「ペンス氏の発言は、米中間の貿易摩擦を背景とした中国への牽制という側面もあるだろう。しかし、中国の現状を正確に理解しないままの発言は、かえって中国側の反発を招き、両国関係の悪化を招きかねない」と警鐘を鳴らしています。

中国の経済発展は目覚ましく、もはや「農民の国」という単純なイメージでは捉えきれません。ペンス氏の発言は、米国の対中政策における認識の甘さを露呈したと言えるでしょう。

まとめ

ペンス副大統領の「中国の農民」発言は、中国国内で大きな反発を招き、米中関係の緊張を高める可能性も懸念されます。国際社会は、互いの現状を正しく認識し、冷静な対話を通じて問題解決を図ることが重要です。