百日咳、聞いたことはありますか?実は今、この感染症が日本で過去最多を記録しています。特に乳幼児にとっては命に関わる危険性もある百日咳。この記事では、百日咳の症状、感染経路、予防策、そして最新の感染状況について詳しく解説します。大切な家族を守るために、ぜひ最後まで読んでみてください。
百日咳とは?その症状と危険性
百日咳は、百日咳菌という細菌によって引き起こされる呼吸器感染症です。感染すると、激しい咳発作が特徴で、文字通り100日間も咳が続くことがあります。大阪小児科医会の川崎康寛理事によると、「特に治療をしなければ、多くの場合3ヶ月、つまり100日くらい咳が続くため、『百日咳』という名前がついています」とのこと。
大人は長引く咳に悩まされることもありますが、比較的軽症で済むことが多いです。しかし、乳幼児、特に生後2ヶ月までの赤ちゃんにとっては重症化しやすく、最悪の場合、死に至ることもあります。川崎理事も「大人は気づかないうちに治っていることもありますが、子供、特に赤ちゃんは咳から悪化しやすく、非常に危険です」と警鐘を鳴らしています。
百日咳特有の咳は、連続した短い咳発作が特徴です。「コンコンコン」といった短い咳が何度も連続して起こり、呼吸が苦しくなることもあります。一般的な咳とは異なるため、注意が必要です。
百日咳の患者数増加
なぜ今、百日咳が増加しているのか?
JIHS(国立健康危機管理研究機構)によると、2024年3月30日までの1週間で報告された百日咳の感染者数は全国で578人となり、2018年の全数把握開始以降、最多を記録しました。一体なぜ、今になって百日咳が増加しているのでしょうか?
川崎理事によると、百日咳は以前から存在していましたが、ワクチン接種によって感染者数は減少していました。しかし、成人はワクチンの効果が薄れるため、感染する可能性があります。しかも、大人は典型的な百日咳の症状が出ないことが多く、気づかないうちに感染を広げてしまう可能性があるのです。
さらに、新型コロナウイルス感染症対策として長期間マスクを着用していたことで、他の呼吸器感染症の流行が抑えられていました。しかし、マスクを外す機会が増えたことで、百日咳も増加傾向にあると考えられています。「インフルエンザと同様に、マスクを外すようになったことが百日咳の流行に繋がっている」と川崎理事は指摘しています。
百日咳の全国患者数
百日咳は秋から冬にかけて流行しやすいと言われていますが、今回の流行は昨年冬頃から始まっています。
百日咳の検査と治療
百日咳の検査には、鼻咽頭ぬぐい液を用いたPCR検査などが行われます。しかし、検査キットの感度には限界があり、百日咳以外の感染症でも陽性反応が出る可能性があります。そのため、確定診断には精密検査が必要となる場合があります。
百日咳と診断された場合は、抗菌薬による治療が行われます。早期に治療を開始することで、重症化を防ぐことができます。
百日咳から大切な家族を守るために
百日咳は、ワクチン接種によって予防することができます。乳幼児は定期接種で百日咳を含む混合ワクチンを接種することが推奨されています。また、妊婦が妊娠中に百日咳ワクチンを接種することで、生まれたばかりの赤ちゃんを百日咳から守る効果も期待できます。
咳が長引く場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることが重要です。自分自身と大切な家族を守るために、百日咳についての正しい知識を持ち、予防に努めましょう。