米中貿易戦争：世界経済への影響は？泥沼化する対立の行方を読み解く

世界経済の行方を左右する米中貿易摩擦。トランプ前大統領時代に端を発したこの対立は、バイデン政権下でも依然として火種を残しています。jp24h.comでは、この複雑な問題を多角的に分析し、今後の展望を探ります。

米中対立の現状：エスカレートする緊張関係

2025年4月9日、トランプ前大統領が導入した追加関税が発効。中国からの輸入品には最大104%、日本製品にも24%の関税が課せられました。中国は徹底抗戦の構えを見せており、両大国の対立は深まるばかりです。アジアの株式市場もこの影響を受け、下落傾向が続いています。

アメリカと中国の国旗が交差している画像

コンファレンス・ボードの中国センター上級顧問アルフレド・モントゥファー＝ヘル氏は、「中国が一方的に譲歩するとは考えにくい」と指摘。ピーターソン国際経済研究所の米中貿易専門家メアリー・ラヴリー氏もBBCの番組で、「これはもはや、どちらがより痛みを耐えられるかのチキンレースだ」と述べています。

中国経済は不動産市場の低迷や失業率の悪化など、既に多くの課題を抱えています。ハーバード大学ケネディ・スクールの専門家アンドリュー・コリアー氏は、追加関税はこれらの問題をさらに悪化させると警告。輸出依存度の高い中国経済にとって、関税による打撃は深刻です。

コリアー氏は、関税の影響は「近い将来」顕在化するだろうと予測。経済成長の鈍化と資源の減少により、習近平国家主席はますます難しい選択を迫られると指摘しています。

貿易戦争の影響は中国だけに留まりません。アメリカは中国から年間約63兆5700億円相当の製品を輸入しており、代替品の確保は容易ではありません。ヒンリッヒ財団のデボラ・エルムス氏は、米中両国は経済的に深く結びついており、関税の長期化は両国にとって大きなリスクになると指摘しています。

エルムス氏は、中国製品が東南アジア市場に流入する可能性にも言及。しかし、これらの国々にも独自の関税があるため、世界経済全体の先行きは不透明さを増しています。

ローウィー国際政策研究所の首席エコノミスト、ローランド・ラジャ氏は、トランプ前大統領時代とは異なり、今回の関税発動の真意が不明瞭であり、今後の展開を予測するのは困難だと述べています。中国は自国通貨の切り下げや米企業への圧力など、様々な報復手段を持つため、事態はさらに複雑化しそうです。

一部の専門家は米中間の非公開協議の可能性を指摘していますが、楽観的な見方は少数派です。エルムス氏は、「アメリカは強硬すぎる」と批判し、トランプ前大統領の戦略には懐疑的です。今後の展開は予断を許さず、世界経済への影響も深刻化することが懸念されます。

米中貿易戦争は世界経済に大きな影を落としています。両国の対立が長期化すれば、世界的な景気後退も懸念されます。今後の動向を注視し、適切な対策を講じる必要があります。

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