サウジアラビアと聞くと、厳格なイスラム教国というイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。かつては映画館やコンサートは禁止、女性の運転も認められていませんでした。しかし、近年、皇太子主導のもと、驚くべき速さで社会変革が進んでいます。特に観光分野への投資は目覚ましく、ビジョン2030を掲げ、未来都市の建設など、世界中から注目を集めています。今回は、ラマダン期間中のサウジアラビア、首都リヤドを実際に訪れた体験を基に、その変化の実態をお伝えします。
厳格なイメージからの脱却:近代化が進むリヤド
かつては外国人観光客にとって、服装や写真撮影に細心の注意が必要とされていたサウジアラビア。しかし、リヤドではアバヤを着ていない観光客も多く、街中で自由に写真撮影を楽しむ人々の姿が見られました。若者たちの間では、伝統的な服装であるトーブとアバヤを着ながらも、街中で親密に過ごす姿も見られ、社会の世俗化が着実に進んでいることを実感しました。
リヤドの街並み
ラマダン期間中のサウジアラビア:昼夜逆転の生活
ラマダンはイスラム教徒にとって重要な宗教行事であり、日の出から日没まで飲食が禁止されます。約12時間にも及ぶ断食期間中、人々はどのように過ごしているのでしょうか。リヤドでは、多くの人々が昼夜逆転の生活を送っているようです。会社や学校は勤務時間が短縮され、商業施設や飲食店は夕方から深夜、時には朝方まで営業しています。
昼間の過ごし方:シーシャでリラックス?
ラマダン期間中の日中は、ホテルのルームサービスを利用したり、一部のカフェで飲食することも可能です。Uberの運転手は、シーシャを吸って気を紛らわせていると話していました。厳密には、たばこやシーシャも禁止されているはずですが、実際には寛容な面もあるようです。
サウジアラビアのイラスト
活気あふれるナイトエコノミー:東京を超える?
ラマダン期間中だけでなく、夏の暑い時期にもサウジアラビアでは夜型生活が一般的です。リヤドでは、深夜営業の遊園地やクラブもオープンし、ナイトエコノミーが活発です。その賑わいは、東京の夜を超えるほどかもしれません。
ビジョン2030:未来都市への挑戦
サウジアラビアは「ビジョン2030」を掲げ、大胆な都市開発を進めています。リヤドには巨大建造物「ムカーブ」、北西部には直線型都市「ザ・ライン」の建設が計画されています。2030年にはリヤド万博も開催予定で、未来都市への変貌が期待されています。
まとめ:変化を続けるサウジアラビア
今回の訪問で、サウジアラビアは急速に変化していることを肌で感じました。伝統を守りながらも、近代化を進めるサウジアラビアの今後に、引き続き注目していきたいと思います。