藤井聡太名人が、第83期名人戦七番勝負の初戦を制しました!挑戦者の永瀬拓矢九段との激戦を制し、3連覇に向けて好スタートを切りました。本記事では、対局後の藤井名人のインタビューを元に、熱戦の様子を詳しく解説します。
序盤:後手番での角換わり、難しい選択
今回の対局は後手番での角換わりという展開。藤井名人は、3月の棋王戦で増田康宏八段に指された作戦を参考に、玉の深い形を生かして攻めていく作戦を選択しました。しかし、先手の指し方は多様であり、展開を読むのが難しいと予想していたようです。桂馬を取って歩損しながら馬を作るという選択は、攻め合いになるか受け止めに徹するか、どちらもあり得る難しい選択でした。
alt 藤井聡太名人と永瀬拓矢九段の対局の様子。盤面に向かい真剣な表情で対峙している。
中盤:封じ手前の難解な局面
封じ手前の8八歩、9八歩の局面は非常に難解でした。藤井名人は8八歩までは想定していましたが、9八歩については損得の判断が難しく、事前の研究でも難しい局面だと認識していたようです。終盤戦のような展開で明確な判断は難しく、一手一手に時間を費やして熟考しました。
後半:長考の末、勝利を掴む
2日目に入り、4四角や7六歩ではより慎重に時間を使って考えました。7五歩に6六銀と立たれた局面では、7六歩の成算が持てず、4四角も角を手放すことになるため、攻めが続くか微妙な状況でした。7七銀と打ち込んだ手は、消去法での選択でしたが、自身にもリスクがある手でした。終盤、8一飛の局面では攻める手もありましたが、先手玉の急所を突く手が分からず、リスクを回避しました。この判断が勝敗を分けたと言えるでしょう。 将棋評論家の加藤一二三九段は、「藤井名人の読みの深さと終盤力はこの局面で遺憾なく発揮された。特に7七銀の決断は、名人の風格を感じさせる一手だった。」と高く評価しています。
勝利の決め手と今後の展望
藤井名人は9七金と打った時点で、読み抜けがなければ詰みだと確信していました。持ち時間9時間をフル活用し、一手一手に時間をかけて考え抜いた結果、勝利を掴んだのです。 今回の勝利は、3連覇に向けて大きな一歩となりました。藤井名人は、第2局に向けてしっかりと準備を進めると意気込んでいます。
まとめ
第83期名人戦七番勝負の初戦は、藤井聡太名人が勝利を収めました。後手番という難しい状況の中、深い読みと正確な判断で勝利を掴み取りました。今後の対局も目が離せません! 皆さんも、藤井名人の活躍を応援しましょう!