アメリカの関税引き上げ、日本の緑茶業界に激震!

日本の誇る緑茶が、アメリカの関税引き上げという逆風にさらされています。2018年、トランプ前大統領が発動した相互関税により、日本からの輸出品には24%の関税が課せられました。この影響は、輸出企業だけでなく、京都府和束町などの茶産地にも大きな影を落としています。

関税引き上げ、茶農家に不安広がる

5月の新茶シーズンに向けて準備を進めていた和束町の茶農家。 関税引き上げのニュースに、上嶋爽禄園の上嶋伯協代表は「何とも言えない。何すんねやという感じですね。交渉の道具に使われているような気がします」と戸惑いを隠せません。

茶畑で作業をする茶農家茶畑で作業をする茶農家

緑茶輸出、過去最高額も暗雲

近年、健康志向の高まりとともに、海外で緑茶ブームが到来。日本の緑茶輸出額は2017年、320億円以上と過去最高を更新し、10年間で3倍以上に増加しました。その輸出量の約4割を占めるのがアメリカ市場です。2017年1月から緑茶の輸出を始めた上嶋爽禄園では、アメリカへの輸出でおよそ1000万円の売上を達成していました。

緑茶を飲む女性緑茶を飲む女性

関税ゼロから24%へ、輸出戦略の見直し迫られる

これまで関税ゼロで輸出できていた緑茶が、24%の関税負担となることで、今後の見通しは不透明です。「関税の話でどうなるのかは今の時点ではわからない。国同士の交渉が始まるんでしょうけど、しばらくはじっと見ているしかない」と上嶋代表は語ります。

新たな活路、ヨーロッパ・東南アジア市場へ

アメリカへの輸出が困難になる中、上嶋爽禄園では、ヨーロッパや東南アジアへの輸出拡大を検討しています。 日本食ブームが続くこれらの地域で、高品質な日本茶の需要を取り込む戦略です。 (参考:日本茶輸出促進協議会資料)

緑茶の未来は?

アメリカの関税引き上げは、日本の緑茶業界にとって大きな試練です。しかし、この逆境を乗り越え、新たな市場開拓や高付加価値化など、更なる成長への取り組みが求められています。 世界中で愛される緑茶の未来を守るため、生産者、流通業者、そして消費者一人ひとりの協力が不可欠です。