国民民主党の玉木雄一郎代表は、夏の参院選に向け「皆さんの手取りを増やす夏にしよう」と訴え、精力的に活動しています。昨秋の衆院選で議席を大幅に増やし、野党第3党ながらも存在感を高めている国民民主党。その躍進の背景には、SNSを駆使した巧みな情報発信戦略があります。
SNS戦略で支持拡大、若者層への浸透も
alt国民民主党の玉木雄一郎代表。雨の中、街頭演説を行う姿は多くの支持者を集めている。(写真:岩谷瞬)
国民民主党は「ネットどぶ板」と称し、SNSでの情報発信に力を入れています。特に若者層をターゲットにしたショート動画を積極的に配信し、YouTubeやX(旧Twitter)などのプラットフォームを活用。玉木代表自身も積極的に情報発信を行い、フォロワー数は70万人を超えています。党のYouTubeチャンネルの登録者数も急増しており、他党を圧倒する勢いです。政治アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「国民民主党のSNS戦略は、他の野党に比べて非常に効果的だ。特に、玉木代表自身の発信力は、党の支持拡大に大きく貢献していると言えるだろう」と分析しています。
「年収103万円の壁」引き上げ問題、政策実現力の課題露呈
alt街頭演説の様子。傘の花が咲く中、熱心に耳を傾ける支持者たちの姿が印象的だ。
しかし、その一方で政策実現力には課題も残ります。「年収103万円の壁」引き上げを巡る与党との政策協議では、国民民主党は「178万円まで引き上げろ」と主張するも、具体的な財源案を示すことができず、最終的に160万円までの引き上げにとどまりました。この結果を受け、玉木代表は「負けました。力不足です」と発言。財務省出身の玉木代表、古川元久税調会長が交渉にあたったにも関わらず、財源問題を軽視した姿勢が批判を浴びました。政治評論家の佐藤花子氏(仮名)は、「国民民主党は、SNS戦略で支持を広げることに成功したが、政策実現力という点では、まだまだ課題が多い。今後の政権運営において、いかに政策実現力を高めていくかが重要なポイントとなるだろう」と指摘しています。
参院選に向け、真価問われる国民民主党
国民民主党は、SNS戦略によって若者を中心に支持を拡大することに成功しました。しかし、「年収103万円の壁」引き上げ問題に見られるように、政策実現力という点では課題も残っています。今後の参院選において、国民民主党がどのような政策を掲げ、どのように実現していくのか、その真価が問われることになりそうです。